サンデー文化祭2025参加レポート
10月12日から2日間開催されたサンデー文化祭(websunday.net
)に参加してきました。昨日は要望や批判を含む運営者向けの記事を書いたのですが、こちらはフツーの参加レポートです。
まずは講談社旧本館へ
サンデー文化祭は小学館のイベントなのですが、都内に出るのは久しぶりなので少し早起きしてまずは音羽にある講談社へ。旧本館では8月20日頃から違う冬のぼくら(creatorslab.kodansha.co.jp
)の累計販売本数100万本突破記念の懸垂幕が掲出されており、久米田先生のイラストが大きく掲げられている状況をこの目で見ておきたかったのです。
掲出開始当初は「パッケージ版11月20日発売!!」と「100万本突破!!」の2種類の懸垂幕が用意され、少なくとも前の週の10月6日時点
でもそのような状況だったようなのですが、私の行った12日には前者が『彼岸島』100巻達成記念のものに差し替えられており、1種のみの掲出となっていました。
久米田先生の旧ご自宅現況
続いて移動の途中に神保町に寄り、今回の文化祭イベントの下見をば。この時点で開場1時間前の9時頃でしたが、開場準備をされているスタッフだけでなくすでに参加者と思わしき人がチラホラと目に付きました。待機列を作るわけでもなく、手持ち無沙汰に写真を撮ったりしていたのですが、私と同じく単なる下見なのでしょうか。
その後個人的な所用を済ませた後、同行者との待ち合わせのため渋谷へ。少し早めに着いたので、久米田先生の旧ご自宅の様子を見に行きます。『シブヤニアファミリー』の最新5巻を読んだ方はご存じのとおり、最近まで住まわれていたご自宅が建て替えにより退去させられてしまったようなので現況を確認したいわけです。『さよなら絶望先生』連載時代もエレベーターのない築40年の集合住宅に住まわれており、取り壊しをきっかけに引っ越しされたことが『かくしごと』11巻
で語られているので、こういったご経験は少なくとも2度目なのでしょうね。
それにしても某所でご自宅写真が公開されたとき、すでに建て替え自体は決定していた時期だったため、私はてっきり退去済みだから写真を公開しても問題ない判断に至ったのだと思い込んでいたのですが、単行本の文章を読む限り最近まで住まわれていたようですね。ということは建物が健在だった頃に様子を見に行ったとき(もちろん公道からの観察)はまだそこにおられたと……。
サンデー文化祭「小学館ビル」会場へ
ふたたび神保町に着いたのは13時頃。今回の文化祭は会場が小学館ビルと出版クラブホールに分かれており、スタンプラリーの順序的には出版クラブホール→岩波神保町ビル前レンガ広場(神保町駅前)→小学館ビルとなるのですが、展示的にはメイン会場となる小学館ビルへまずは向かいます。
入口受付で記名のうえ臨時入館証を受け取っての入場。昨年まで抽選による限定開催だったところが今年は誰でも参加できる(しかも入場無料)方式になったため、長時間の入場待機も覚悟していたのですが、まったく待機列はなくスムーズに入れたのは予想外でした。
入ってすぐのところには創刊から現在までの歴史パネルとライブドローイングのイラスト展示。この日(10月12日)は14時からmmk先生のライブドローイングがあったようですが、13時時点では誰も描いておらず白紙。
2階に上がり、等身大パネルやキャラクターグッズが並ぶエリアを抜けて奥の部屋に進むと、今回のメインとなる展示室。展示は主に以下のものがありました。
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早乙女玄馬パンダの等身大(?)人形
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過去イベントでの寄せ書きイラスト
- 作家のお宝展示コーナー(ショーケース内での私物展示)
- 連載作家陣の仕事場紹介パネル
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ファンレターを書くコーナー
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マンガ家再現デスク
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大嶋編集長によるガチャポンコーナー
- 来場者による寄せ書きコーナー
- 単行本を読めるコーナー
- マル秘展(編集部によるパネルコーナー)
仕事場紹介パネルでは作家の方々が普段作業されている机の様子が紹介されているのですが、久米田先生は前述のとおりご自宅兼仕事場を退去させられているので、今はその辺の屋外で執筆作業をされているそうです(そんなわけあるか)。
仕事場兼自宅の建物が取り壊しになったため現在仕事場がありません。つらい
この写真はわざわざ小道具をセットして撮影されたのですかね。まだブログもなかった時代にまんが家BACKSTAGE(websunday.net
)のネタのために地丹君人形をいろいろな場所に持ち出されていた2002年頃の空気感を思い出して懐かしくなった次第です。
お宝展示コーナーは撮影禁止なので写真はありませんが、久米田先生のものとしては講談社漫画賞を受賞されたときのブロンズ像が展示されていました。同一品がメルカリに300万円で出ているとコメントされていましたが、レプリカではないオリジナルのうちの1体と説明されている品が本当に出品されている(jp.mercari.com
)のですね(笑)。出品から4か月が経過し、今のところ買い手は現れていないようですが。
マル秘展(編集部によるパネルコーナー、これも撮影禁止)では、編集部内のエピソードはもちろん、作家からのコメントもありました。例えば神保町での食事といえばカレーが有名であり、お気に入りの店としてボンディ(bondy.co.jp
)を挙げた方がやはり多く、そのような中で久米田先生はランチョンの揚げ物とビール
と答えておられました。同行者と「ランチョンって何? ランチョンマットしか知らない」ととぼけた会話をしていたのですが、調べてみるとランチョンという店名のビヤホール(www.luncheon.jp
)が靖国通り沿いにあるようで。日、月、祝日は定休日なのでこの日は行かなかったのですが、別の機会があればそこで揚げ物頼んでみたいですね。
作品に関するネタとしては『シブヤニアファミリー』の命名者は先生の娘さんだとか。つまり主人公みずから(謎)。
ボンディ初体験
神保町自体は出版社との原稿打ち合わせでときどき足を運ぶのですが、実はこのエリアで食事をしたことがなく、神保町カレーも未経験です。なので、すでに経験のある同行者に連れられていちばん有名なボンディへ。しかし14時前の時点で神保町本店は行列が建物外まで続いていたので、小川町方面にある神田小川町店で食べることにしました。そもそも店舗が複数ある(bondy.co.jp
)こと自体知らなかった(一店舗だと思い込んでいた)のですが、小学館ビルからの距離は本店も神田小川町店もあまり変わりません。作家のみなさん方は普段どちらに行かれているのでしょうかね。
こちらもそこそこ行列があり、並び始めたのはおよそ14時過ぎ、席に案内されたのは14:45でした。
メニューはチキンカレーの中辛にトッピングとしてチーズを選択(合計¥1,900)。デフォルトでジャガイモが付いてくるのですが、これはどう食べるのが正解なのですかね。私はカレールーと混ぜて食したのですが、バターが付属していたので単体で食べるのもアリなのだと思います。ごはんの量はノーマルな300gを選択したのですが、ジャガイモが付いてくることもあり、ちょっと多かったかな。自分には250gが適量だったかもしれません(ただし選択できるのは300gのほか200gと150gのみ)。
サンデー文化祭「出版クラブホール」会場へ
食事を終えた後、今度は「出版クラブホール」の会場へ向かいます。エスカレーターで3階に上がると物販会場があるのですが、そこは当選者しか入れない場所なのでスルーし、さらに階段を上がって4階へ。
ここは大小2つの展示部屋があったのですが、小さい方(たぶん401+402号室(shuppan-club-hall.jp
))はサンデー本誌のバックナンバーが何冊か置かれて自由に読める部屋となっていました。ここには来場者の感想ノートも置かれていたのですが、古い本誌の漫画を参考にしながらノートにイラストが描けるのは良いですね。
一方、広い方の部屋では各作品ごとに「先生が選ぶ名シーン」を3つ挙げたパネルがずらっと並んでいました。久米田先生は『シブヤニアファミリー』の25話(2巻収録)、58話(4巻収録)、63話(4巻収録)を挙げており……ってぜんぶ作家いじりのネタじゃないですか! どうせならパネルも藤田先生の隣に配置していただけたら良かったのに。横山先生のものは島本先生の隣に移動してさ。
まとめ
なによりも想像していたより規模の大きなイベントだったのが印象的でした。複数会場間の移動があったり、途中昼食を挟んだりしたとはいえ、13時から17時まで4時間近く居たことになりますし、これが13日だったらライブドローイングも多くトークショーステージもあったため、丸一日コースになっていたと思います。
一方で次回以降の開催には多少の不安があるのも事実です。1年程度では連載作品もそれほど顔ぶれは変わらないでしょうし、すなわち「先生が選ぶ名シーン」などもそう大きくは変化ないはずです。とすると、ライブドローイングやトークショーのような生の企画は良いとしてもパネル展示などは飽きさせない変化を要するわけで、そのあたり期待と不安の両方を持っています。
個人的には作家だけでなく、編集者のトークショーも聞いてみたいなあと。少年サンデーのフキダシ(music.amazon.co.jp
)がどの程度の人気度なのかは分かりませんが、少なくとも私は毎週聴いており、それは商業雑誌の漫画というものは作家一人のものではなく編集者も作者の一人だと受け取っているからです(これはなにも漫画に限ったことではありません)。あるいは作家とその担当編集者の公開対談とかね。いかがでしょう。
そうそう、せっかく小学館本社の中に入れる機会だったので、TVアニメ『かくしごと』久米田康治×神谷浩史・スペシャル対談ムービーで久米田先生が座られた椅子を探したのですが、入れる範囲には見つかりませんでした。来年はぜひ「玉座」の展示もお願いしたいところです。