関水金属本社に保存されている京急デハ268の台車、床下機器を見る
鉄道模型メーカのひとつ関水金属の本社(ホビーセンターカトー東京店(www.katomodels.com
)併設)には京急電鉄で活躍したデハ230形が1両保存されていますが、先日久しぶりに訪問して観察してきました。
車歴
ひとくちにデハ230形と言ってもその前歴は様々なようで、湘南電気鉄道デ1形や京浜電気鉄道デ71形など5つのグループに分かれます。関水金属のデハ268は、1936(昭和11)年に汽車製造で製造された京浜電気鉄道デ83形のうちの1両で、大東急時代のデハ5230形を経て戦後の会社分離後に京急デハ230形となったようです。
台車
台車は5グループとも汽車会社製で、Baldwin78-25A系のイコライザー式です。ただしグループ間で細かな形態差異はあったようで、とくに湘南デ1形を種車とする車両とそれ以外では、横梁(トランサム)とクインポストを結ぶ部分のほか、軸受の形状が異なります。
京浜デ83形が履いていたのは「2HE」[1]と呼ばれていた台車で、軸受はコロ軸となっていますが、これは後年の改造によるもののようで、鉄道ピクトリアルNo.243(1970年10月臨時増刊号)の「京浜急行電鉄車両概況」には次のような記述があります。
主制御器
東洋電機製で電動カム軸制御のES-510A形です。
空気圧縮機
D-2-N形です。同型が熊本電気鉄道モハ5100形(東急(旧)5000系の譲渡車)で現役ですね。
- 実はこれが見たかったために訪問した次第だったりします。
電動発電機
東洋電機製で出力は発電機4kW、電動機5kWです。
銘板によると昭和43年製なので、オリジナルではなく後から換装されたものと思われます。
脚注
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1.
「2HE」の"2"は枕ばねの板列数を指しているものと思われます。 ↩ 戻る