Firefox 138 に新しいコントラスト設定が追加

先月末にリリースされた Firefox 138 において新しいコントラスト設定が追加されました。

これまでも Firefox には Web サイトの配色をカスタマイズする機能があったのですが、制作者スタイルシートで colorbackground-color の色設定がされていないサイトでのみ効果があるというまるで1990年代のような原始的なもので、実質的に役に立たない状況でした(今どきそんなサイトは皆無なので)。

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Firefox 83 時点の「配色」設定オリジナル画像

長らく放置されていたこの機能にいよいよ手が入り、冒頭に記した記事のように「コントラスト制御」としてリニューアルされた次第です。半年ほど前(2024年秋)に Edge にページカラー設定が追加されたのは記憶に新しいところですが、機能としてはこれと似たものです。

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Firefox 138 の「コントラスト制御」設定で「カスタム」を選択して「配色」ダイアログを表示した様子オリジナル画像

そして実際に試してみたところ、Web ページ制作上の注意点もやはり同じ問題があると感じました。すなわち Edge の記事にも書いた以下の問題が Firefox 138 でも発生します。

  • ナビゲーションリンクにおける現在地表示を背景色の有無だけで区別していると、「コントラスト制御」をカスタム設定したユーザーは視覚的な区別ができなくなってしまう
  • border-color: transparent で視覚的に見えない枠線を設定していると、「コントラスト制御」設定によって強制的に表示されてしまう

これらの問題が Edge だけでなく複数のブラウザで顕在化したことで、いよいよ無視できなくなってきたように感じます。ユーザーが色設定をカスタマイズするのは印刷時やユーザースタイルシートなど特殊なケースのみと認識している方もいるでしょうが、当たり前にカスタマイズされうる時代が来たと言えそうです。