「ググる」を避ける

私は最近、「ググる」を意識的に避けるようにしています。お堅い文書ではもちろん、ラフな SNS 投稿においてもここ5年くらいは使っていないはず。

言うまでもなく検索サービスは Google に限らず他にも多数あります(私は数年前から DuckDuckGo(duckduckgo.com) を愛用)。「ググる」を使う人々は、別に Google 信者というわけではなく、大半は単に語呂が良いとか、他に適当な表現がないと言った理由で使っているに過ぎないのでしょう。私も以前はそうでした。しかし世界中で当たり前に使われていたメジャーなサービスが終了したり、実質別物に変わったりする事態を何度か経験するうちに、以前からなんとなく感じていた嫌悪感が強くなってきた次第です。

同じ理由で YouTuber や VTuber なる単語も、その言葉が世に出回ったときから苦手です。YouTube が名称を変えたりサービス終了したり、あるいは他の動画サービスがメジャーになったらどうするんでしょうか。まあ昔は「ヤフーでググる」などという表現もあったくらいなので、形骸化した言葉だけ残るのでしょうけれど。

近年は企業や政治家、芸能人などいわゆる「公式」が SNS を活用するのが当たり前になってきましたが、「感想を X でポストして」などとわざわざ固有名称を出すことにも違和感を覚えます。ハッシュタグを活用したキャンペーンであればサービスを限定せざるを得ない事情は分かりますが、感想くらい好きなサービスを使わせてほしい。エゴサしたいなら特定サービス内の検索機能ではなく、それこそググって……いや Web 検索して行うべきでしょう。

もっとも、これらインターネットサービスは自分が生まれた後に登場した、たかだか数十年の歴史しかないものだから違和感を抱くだけで、「エスカレーター」や「セロテープ」など固有名詞が一般名詞化したものは日常生活でありふれているわけです。「ステープラー」と言ったところで伝わらないし。本来時が経てば慣れるはずなのに、「ググる」は逆に近年になって嫌悪感が強くなってきたのは自分でも不思議です。