こどもの国線と池上、多摩川線の車両から正面昇降ステップなどが撤去
昨夏、こどもの国線でこんな事案が発生したようです。
こどもの国線は1989年の7000系専用編成(7057F)導入時よりワンマン運転を行っていますが、さすがに運転士ひとりでは列車後部まで確認できないのか、こんなことが起こってしまうのですね。駅の張り紙によれば、その後は警備員を配置していたようですが、しばらく経って車両正面に変化が。
正面下部の大型ステップ部分に上辺が斜めになった青い具材が設置され、足が掛けにくくなっています。また、窓下の手摺りも撤去されてしまいました。
この対策は同じくワンマン運転を行っている池上、多摩川線にも波及しており、こちらは足掛け防止具材の設置はないものの、窓下手摺りなどとともに屋根に登るための昇降ステップも撤去されています。
昇降ステップは各車の妻面片側(上り方は山側、下り方は海側)に設置されているもので、新3000系以降は先頭車正面の設置が省略されています。先頭車も車種を問わず連結側にはステップがある[1]ため、撤去の判断に至ったのでしょう。
- ただし、既に廃車された7915Fは例外で、連結部のステップはすべて撤去され、代わりにデハ7815の下り方に梯子が設置されていました[2]。転落防止装置を設置していた影響と思われますが、この編成が健在だったらどのような処置をされたのでしょうね。
この撤去工事は、車両の"顔"に関わる目立つもののためか、多くのブログ等で話題になっていましたが、一部に気になる記述もありました。たとえば、次の記事。
まず、一口にステップと言っても、さまざまな種類が存在します。7700系の場合、正面には以下の4つがあります。
- 今回撤去された、妻面片側に縦に並んだ昇降ステップ
- 昇降ステップに続く形で車体裾から下方へ延びるステップ (私は「足掛け」と呼んでいます)
- 7700系化改造時に追設された下部の大型ステップ
- 一部車両に残る7000系時代からの下部小型ステップ
「車体裾の乗務員ステップ」というと、ここで列挙したうち「足掛け」が該当しそうですが、前後の文章から察するに下部小型ステップのことを指しているのでしょう。しかしながら、デハ7701の小型ステップが撤去されたのは最近の話ではありません。MIHAさんの「東急目蒲線物語」サイト内で2000年7月に撮影された写真(www5a.biglobe.ne.jp
)が掲載されていますが、この時点ですでに撤去されています。ワンマン化改造時にでも取り外されたのでしょうかね。
この小型ステップは、鉄道ピクトリアルNo.600(1994年12月臨時増刊号)の「東急7700系形態解析」でも触れられているとおり、東急車輛製造で改造された車両のうちデハ7712以外で残されたものですが、その後デハ7701のほかデハ7712〜7714、クハ7910(山側のみ), 7913〜7914が撤去されています。また、種車が旧7000系1次車なデハ7710、クハ7910はステップ位置が中寄りですが、デハ7710の山側(車掌台側)はなぜか他車と同じ位置に移設されていたりします。
念のため、小型ステップの残る9両[3]について再確認を行いましたが、状況は昇降ステップ撤去前と変わっていませんでした。
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なお、私がTwitterで指摘したためか、
こちらは車体裾の乗務員ステップまで撤去されている模様。
の記述は後に削除されています。