引退直前(?)な大井町線8590系を振り返る

大井町線の8692Fと8693Fが運用離脱してしまったようですね。8691Fはまだ動いていますがこれも時間の問題でしょうか。

ここでちょっと東横線からやってきて以来の歴史を振り返ってみたいと思います。

最初に8590系が大井町線にやってきたのは2005年11月のことです。当時、東横線では新型車両の投入により8000系、8590系が徐々に撤退していましたが、伊豆急への譲渡や解体処分となった8000系と異なり、8590系は先頭車の車齢が若いこともあってか大井町線、田園都市線への転籍となりました。

大井町線転籍組の主な改造内容は以下のとおりです。

  • デハ8190形、デハ8290形、サハ8390形をそれぞれ1両ずつ抜いて5両編成に短縮
  • デハ8690形(1号車)にSIVと関連装置を搭載
  • デハ8290形(4号車)の空気圧縮機と100V蓄電池をそれぞれ2台に
  • 扉非扱い装置を搭載
  • 集電装置をシングルアーム型パンタグラフに換装(※8692F, 8693Fは転籍直後は菱形パンタのままで後に交換)

また、2006年3月には土休日ダイヤの朝夕に田園都市線中央林間まで直通運転を行う急行列車が設定され、それに充当されるため正面まわりの帯をオレンジのグラデーションのものに貼り替え、大きくイメージが変わりました。8692F, 8693Fは転籍当初からこの帯です。

オリジナル画像
写真1グラデーション帯になった直後のデハ8691(2006年3月撮影)

2008年2月には大井町線のATC化(www.tokyu.co.jp)が行われました。両先頭車床下に搭載されるATC本体はそのままでしたが、デハ8690形山側の情報伝送装置の交換が行われました。

さらに同年には扉非扱いシステムの更新に伴い、デハ8690形正面床下の車上子や、保安装置用とは別個に設置されていた非扱い用の情報伝送装置の撤去が行われました。こちらは戸越公園、九品仏駅の地上子や確認ランプの交換も行われたため、いくつかのサイトで話題になっていましたね。

さて、転籍後に発生した編成ごとの差異のうち、集電装置や正面帯は統一されましたが、最後まで残っていた差違の1つに整流装置があります。これはデハ8690形の海側に搭載されたもので、デハ8691のみRS180形、ほかの2両はRS175形となっています。転籍工事時の在庫の都合によるものか、何か意図的なものかは分かりませんが、ともあれデハ8691のみ機器が異なる状態が最後まで続いていました。

オリジナル画像
写真2デハ8691形式写真(海側)、2013年撮影
オリジナル画像
写真3デハ8692形式写真(海側)、2009年撮影