東横線元住吉駅で列車衝突事故

昨日の大雪で各所たいへんな事態になっているようですが[1]、東横線の元住吉駅で衝突事故が起きてしまったようですね。

公式発表や報道によると、過走した下り普通列車に後続車が追突したようで。

記者会見では自動列車制御装置(ATC)は作動していたが、ブレーキが十分に働かなかった(headlines.yahoo.co.jp) という説明があり、単に雪の影響で後続車のブレーキが効かなかっただけなのかもしれませんが、そのあたりは調査結果を待つことにして、オーバーランにより列車が後退する際にATCがどういう動作をするのかを簡単に。なお、以下はあくまで東急東横線の「新ATC」(一段ブレーキ制御式ATC)の仕様であり、他のATC導入路線に当てはまるとは限りません。

東横線のホーム区間後方防護

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通常、列車がある閉そく区間を通過すると、その列車が閉そく区間を進むごとに信号コードが変化(コードアップ)し、当該区間における後続列車の制限速度が 0km/h → 20km/h → 40km/h のように高くなってゆきます。

しかし、駅においては前方列車が過走時に後退するケースがあるため、過走距離によっては本来の停止位置に後続列車が進入できる状況(信号現示が"G")になり追突の危険があります。そのため、東横線などでは「後方防護」を導入して後続列車を進入させないようにしています。

これは前方列車の過走を検知すると、実際は列車が通過していても在線扱いとして信号コードを変化させないようにするもので、後続列車の進入を防止します(後続車が駅に近づくと車内信号現示が "×" となり、仮に進入しようとしても非常ブレーキが掛かります)。

ホーム区間過走時の後方防護(「京三サーキュラー VOL.48 NO.4」7ページより転載)

脚注