台湾島を鉄道で一周 〜1日目・普快車編〜

先日、所用で台湾に行ったのですが、1日半ほど時間が空いたので、台湾島を鉄道で一周してきました。

台湾の鉄道で面白いスポットと言えば、一般的には平渓線十分駅のランタン飛ばしと阿里山林業鐵路(afrch.forest.gov.tw)が有名かと思いますが、自分の興味的には南廻線を走る旧型客車(普快車)と虎尾のサトウキビ列車を見てみたいと思っていました。

直前まで予定が分からなかったため、列車の予約はしていなかったのですが、いろいろな幸運にも恵まれて旅を満喫することができたので、備忘録も兼ねて2日間の様子を書き残しておきます。

初日の行程はこんな感じ。

2019年1月26日(土)

台北8:11→台東13:20(2列車・莒光号) $604

台東16:00→枋寮18:20(3672列車・普快車) $104

枋寮18:28→新営20:40(374列車・自強号) $332

新営20:55→斗南21:42(区間車) $68

斗南駅→虎尾鎮(タクシー) $251

この日の最大の目的である南廻線の旧型客車は、現在では 枋寮10:55 → 台東13:21 / 16:00 → 枋寮18:20 の1往復のみが残っています。台北駅を早朝に出て新幹線(台灣高鐵)を使えば午前の枋寮発にも間に合うのですが、今回は夕方の台東発に乗ることにしました。この場合、台北駅を10:55に出発する普悠瑪号が接続列車になるのですが、予定が決まった前夜にオンラインチケットのページ(railway.hinet.net)で空席を調べてみるとあいにく満席。

当日ホテルで朝食を取った後、台北駅に行き出札窓口で聞いてみたところ、8:11発の莒光号があっさり取れたのでそれに乗ります。莒光号はJRで言う急行列車に相当するものですが、客車列車として運行されています。自分の乗った8:11発の2レは13時間半をかけて台湾島を一周する列車なので、台北始発なのに行先も「台北」になっています。クルーズトレインも兼ねているのか、編成後部には貸切車と思われる内装が豪華な車両や食堂車も連結されていました。

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台北駅に停車中の莒光号オリジナル画像
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台北始発なのに行先も「台北」オリジナル画像

台北駅を発車して2つ目(といっても既に2時間半が経過している)の花蓮駅で10:45〜10:57まで12分間の停車があるので、列車を降りて写真撮影。

反対ホームには花蓮発、宜蘭行きの復興号が止まっていました。こちらは座席指定可能な準急列車ですが、普通列車(区間車)と同じ運賃という、日本では類を見ないタイプの列車。客車はスカイブルーのツートンカラーで、オレンジ系の莒光号とは違った雰囲気となっています。

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花蓮駅に停車中の復興号オリジナル画像

自分が乗っている莒光号も、隣のホームから中2線空きで編成写真と形式写真を撮ることが出来ました。

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花蓮駅に停車中の莒光号オリジナル画像
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莒光号の客車(35FPK 10524)オリジナル画像

隣のホームまで行って写真を撮っていたらあっという間に発車時間。再び莒光号に乗り込み、次は台東駅で下車します。

こちらの列車が台東駅に到着すると同時に、隣のホームには枋寮からやってきた普快車が滑り込んで来ました。急ぎ足で先頭部に向かいますが、既に機関車は切り離されていました。

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台東駅を発車する莒光号(右)と普快車(左)オリジナル画像

普快車は3両編成の旧型客車で、日本の旧客のように車端部に手動開戸がある車両と、両開きの自動引戸を備えた車両の2タイプがあるようですが、この日運用に入っていたのは3両とも後者。しばらくすると後方に機関車が連結され、推進運転で車庫に入っていきました。

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普快車の40TPK32200型客車(40TPK32202T)オリジナル画像
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普快車を牽引するR100型ディーゼル機関車(R122)オリジナル画像
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推進運転で入庫する普快車オリジナル画像

折り返しの16:00発まで2時間以上あるので、駅前で昼食でも……と思ったのですが、レンタカー屋とホテルしか見えません。調べてみると中心街は離れたところにあり、台東駅は町外れに位置しているようです。というわけで、改札横にあったセブン‐イレブンで焼き芋やトウモロコシを購入し、ベンチで食します。

15:40頃にホームへ上がると既に客車は入線しており、しばらくすると先頭にディーゼル機関車が連結されました。

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台東16:00発、枋寮行きの普快車オリジナル画像
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回転クロスシートが並ぶ普快車の車内(40TPK32228T)オリジナル画像

明らかにこの列車目的と思われる鉄道ファンも何人かいましたが、なぜかほとんどの人は最後尾の車両に乗り込み、先頭車(機関車次位)に乗ったのは自分も含めて2人だけ。その人も途中駅で降りてしまったので、終点までは貸切状態。真冬ですが気候はコートが不要な程度なので、窓も開けて海沿いを走る旧型客車を堪能することができました。

列車は途中の大武駅で17:05〜17:15まで10分間の停車。東京だと1月の17時過ぎは日の入り直前でかなり暗いのですが、まだギリギリISO100で手持ち撮影ができる程度には明るい状態でした。ほかの乗客や車掌もホームに降りて休憩や歓談タイムとなっていました。

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大武駅で長時間停車中の枋寮行き普快車オリジナル画像

側線に目を向けると長物車(35F2000型)とバラストを積んだホッパ車(35B10000型)が。ホッパ車は日本でよく見られるホキ800型と比較して背が低いように見えました。

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大武駅に留置されていた長物車(35F2000型)オリジナル画像
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大武駅に留置されていたホッパ車(35B10000型)オリジナル画像

大武駅を17:15に出ると、次の停車駅は枋山18:01着なのですが、実際は枋野という信号場に15分ほど停車します。ここで対向列車の交換待ちをするのですが、停車中は車内照明が消されます。車軸発電の関係ですかね。ちょうど日が暮れる時間帯なので、車内はかなり暗い状態に。そんなものですから、ここで初めて車掌さんが巡回してきてしばらく停車する旨を口頭で説明されました。

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枋野信号場停車中の真っ暗な車内オリジナル画像

対向の自強号が通り過ぎると、こちらの列車も車内照明が復活して発車するのですが、この先は車窓も真っ暗で夜汽車の雰囲気になります。終点の枋寮駅には18:20着。

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枋寮駅に到着した普快車オリジナル画像

時間があれば入庫の様子が見られるのかもしれませんが、すぐに後続の特急がやってくるので、機関車が切り離された様子だけ軽く撮影して台中行きの自強号に乗り込みます。これにてこの日のメインイベントはおしまい。

翌日は朝から虎尾のサトウキビ列車を見たいため、この日のうちに虎尾の街まで移動することにします。最寄りの斗南駅には自強号が停車しないため、途中の新営駅で普通列車(区間車)に乗り換え、斗南駅には21:42着。虎尾の街まではバス路線があるのですが、この時間はとっくに終バスが出た後なのでタクシーで向かいます。

駅前に止まっていたタクシーの運転手にホテル名を書いた紙を見せると、251元(≒894円)とのこと。詳しい相場は分かりませんが、斗南駅から虎尾の中心部まで300元で移動した報告(4travel.jp)もあったので、まあ安い方かなと思い、とくに値下げ交渉はせずに乗車。距離およそ7.7km、東京23区だと2,700円ほどしますから 1/3 以下ですね。

ホテルは街の中心部にある登豐米蘭商務旅店(www.booking.com)で、前日予約で朝食込み5,318円。1Fのカウンターがやや貧弱でしたが、部屋はきれいで広々としており、朝食のバイキングも豪勢なものでした。

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登豐米蘭商務旅店のダブルルームオリジナル画像

2日目・虎尾のサトウキビ列車編へ続きます。