EOS 5D Mark Ⅳ から EOS R6 へ乗り換え
2006年以来、一眼レフカメラは長らくキヤノンの EOS 5D シリーズを愛用してきたのですが、この度ミラーレス一眼レフの EOS R6(cweb.canon.jp) に乗り換えました。
マウントアダプターの供給不足
何はともあれ、後世のためにもまずはこのことを記しておく必要があるでしょう。
このカメラは上位機種の EOS R5 と共に2020年7月9日に YouTube で行われた Canon EOS Presentationで発表されました。
キヤノンのフルサイズ・ミラーレス一眼レフカメラはこれまでにも EOS R、EOS RP などが存在していますが、私自身も含め、これまでミラーレス移行を様子見していた EOS ユーザーの注目を集めたためか、この発表以降、従来の EF レンズや EF-S レンズを活用するためのマウントアダプター(EF-EOS R シリーズ)が入手困難になる事態が発生しました。
2020年7月30日に EOS R5 が、8月27日に EOS R6 が発売されましたが、11月現在でもなおマウントアダプター不足の状況は続いています。このアダプターはキヤノン純正品としては4種類が発売されていますが、もっともシンプルで最軽量、最安のマウントアダプター EF-EOS R(cweb.canon.jp)はとくにその状況が顕著な感じがします。11月24日時点の代表的な通販サイトでの状況を記録として残しておきます。
通販サイト | 税込価格 | 在庫状況 |
---|---|---|
キヤノンオンラインショップ(store.canon.jp) | ¥14,025(ポイント 140) | 納期未定 |
Amazon.co.jp![]() |
¥22,500 | あり |
ヨドバシ.com(www.yodobashi.com) | ¥12,980(ポイント 1,298) | 取り寄せ(全店舗在庫なし) |
カメラのキタムラネットショップ(shop.kitamura.jp) | ¥12,573 | 取り寄せ(宅配用の在庫) |
マップカメラ(www.mapcamera.com) | ¥11,880 | 取り寄せ |
フジヤカメラ(www.fujiya-camera.co.jp) | ¥11,800 | 予約受付中(= 取り寄せ?) |
このように、本来は1万1千円台で購入できるものが、その2倍近い価格を付けている Amazon.co.jp を除き、軒並み在庫なしとなっています。
Amazon.co.jp の販売価格をKeepa(keepa.com)のサービスを利用してトラッキングした履歴グラフを見ると、元々は新品が1万2千円程度で売られていたものが、7月上旬から急激に上がり出し、8月以降は2万円台後半、9〜10月の一時期は ¥33,000 の最高値を記録しています。11月に入ってからは徐々に値下がりしていますが、この感じだと少なくとも年内は正常価格に戻ることはなさそうですね。
ヤフオク! やメルカリ等のフリマサイトでも、中古品が新品価格よりも高い価格(2万円前後が多い)で出品、落札されている状況が続いています。
購入
ここからは私個人の購入体験記となります。
ズームレンズ RF24-105mm F4 L IS USM の中古購入
レンズについては、所持している EF レンズの多くを引き続き活用していく方針ですが、唯一 EF24-70mm F4L IS USM(cweb.canon.jp)のみは RF24-105mm F4 L IS USM(cweb.canon.jp)に買い換えることにしました。
もっとも頻繁に使うレンズであり、これ1本だけを持ち出す日も多いので、マウントアダプターなしで使えるメリットが大きいことと、テレ側が 105mm に延びる魅力に惹かれたためです。
このレンズも注目度が高いためか、マウントアダプターほどではないにしろ Amazon.co.jp では価格が高騰、その他のサイトでは在庫切れという状況が続いているようですが、 EOS R5 & R6 の発表直後は移行勢も具体的なレンズの選定までできていなかったのか、市場が品薄になるまでには若干のタイムラグがありました。
発表直後に目黒区の三宝カメラ(www.sanpou.ne.jp)で中古品が売られていることを確認、2日後の7月11日にたまたま近くに用事があったので、ついでに店舗に足を運び、現物の状態をチェックした上で購入しました。外箱やポーチは欠品だったものの、レンズ自体の状態は良いもので ¥88,000 でした。2020年11月現在ではこの価格での入手は難しいと思います。
マウントアダプター EF-EOS R の中古購入
前述のように、マウントアダプターの供給不足は今もなお継続していますが、高い金さえ出せば入手できないことはありません。また、中古品はいわゆる転売価格でプレミアが付いていますが、発売直後の人気ゲーム機のようにほとんどが転売目的というほどの状況ではなく、純粋に(EOS R 等で使用した後にたまたまこのタイミングで)不要になった方の出品も見られます。
で、こういう言い方をするとアレですが最新の市場価格を調べていないのか、時折驚くほど安い価格(と言っても正常時の市場価格レベル)で出品される方がおられます。あるいはプレミア価格が付いている現状に一石を投じようとあえて安く出品されている立派な考えがあるのかもしれませんが、ともかく主要なフリマサービスを常にウォッチしているとそういう出品に出会うことがあります。
私は7月の発表直後から、
- 本来の市場価格帯である1万2千円程度で販売されている新品(すぐに入手できるものに限る)
- その新品価格よりは安い中古品
のいずれかの条件で、各種アラート機能も活用しながらウォッチしていましたが、11月上旬になってようやく条件に合う中古品を発見。詳細はボカしますが、開封済みながらキズや汚れはほとんど見られない美品を1万円を切る価格で入手することができました。
この時点でカメラ本体は未入手であり、保証のない品を中古で購入するリスクはありましたが(外観にキズがなくても接点などに不具合があった場合、カメラが到着してから動作不良に気付いても手遅れなので)、そこはまあ不良品に当たってしまったら諦める覚悟で……。結果的に不具合もなく、本当においしい買い物でしたが。
EOS R6 の新品購入
マウントアダプターの入手確定を待って、ようやく EOS R6 本体の新品を購入します。カメラ本体もマウントアダプターほどではないものの供給が追いついておらず、11月時点においてもすぐに入手することは難しい状況です。とくに根拠はありませんが、有名なカメラ専門店なら入荷も早いかなということで、中野にあるフジヤカメラ(www.fujiya-camera.co.jp)のネットシップで予約(¥301,950)。供給具合が分からないので年内には届かない覚悟もしていましたが、意外と早く予約から2週間半後の11月20日に到着の連絡がありました。
EOS 5D Mark Ⅳ の売却
本体の購入をマウントアダプターの入手確定まで行わなかったのは、手放す機材の売却を考えてのことです。
多くのカメラ屋では機材購入時に下取りの形にすれば買い取り価格を上げてくれますが、フルサイズ一眼レフともなればその上昇量が無視できない金額になります。なので、金額面を重視するならば「先に本体を購入 → マウントアダプターが入手でき次第運用を開始、その時点で旧機材を通常価格で売却」よりも、「レンズやマウントアダプターの準備ができてから本体を購入、その時点で旧機材を下取り価格で売却」の方が出費を抑えることができます。
カメラを購入したフジヤカメラの店舗に足を運んだのは11月23日でしたが、その時点での査定額は以下のとおりでした。
品名 | 下取り上限額(15%UP) | 実際の査定額 | 程度 |
---|---|---|---|
EOS 5D Mark Ⅳ | ¥173,650 | ¥152,375 | AB- |
EF24-70mm F4L IS USM | ¥44,850 | ¥35,650 | B |
- フジヤカメラにおける程度表記は A : 新品同様品、 AB+ : 美品、AB : 良品、 AB- : 並品、 B: 傷み/難有り品(老朽品)、 B- : 現状品(部分的故障品)の6段階評価(その他に未使用品やジャンク扱いもあり)。
SDXC カードの新品購入
これまで使っていた EOS 5D Mark Ⅳ は CF カードと SD カードのデュアルカードスロットでしたが、 EOS R6 は SD カードの2枚差しとなるので、 SD カードを1枚買い足しました。
RAW 画像の長時間連写や 4K 動画の撮影はほとんどしないため UHS-Ⅱ は不要と判断し、 SanDisk の UHS-Ⅰ タイプの中でもっとも高性能なExtreme PRO SDXC UHS-I(shop.westerndigital.com)(Read: 170MB/s, Write: 90MB/s)を選択、容量は 64GB にすることに。
価格の安い並行輸入品(SDSDXXY-064G-GN4IN)がフジヤカメラでも売られていましたが、メモリーカードを買うなら秋葉原だろうと中央線で移動。あきばお~(www.akibaoo.co.jp)やBUY MORE(www.unitcom.co.jp)などいくつか実店舗を回った中では浜田電機(www.hamada-dk.com)の ¥1,650 (1か月間の相性保証、初期不良交換あり)がいちばん安かったのでそこで購入しました。ちなみにフジヤカメラでの販売価格より千円以上安かったので、中野→秋葉原のJR運賃(片道 ¥220)を考えても充分にお釣りが出る移動です。
機材更新の差引金額
機材更新にかかった金額をまとめると、
- EOS R6(新品): ¥301,950
- RF24-105mm F4 L IS USM(中古): ¥88,000
- マウントアダプター EF-EOS R(中古): 約 ¥10,000
- SD カード(新品): ¥1,650
で、 EOS 5D Mark Ⅳ と EF24-70mm F4L IS USM の下取りで ¥188,025 を受け取ったので、カメラ本体やレンズのランクをあまり変えずに差し引き約 ¥213,575 の出費でミラーレス一眼レフへの移行ができたことになります。
設定変更
2016年に EOS 5D Mark Ⅳ を購入した時にも書きましたが、 EOS R6 でも自分の使い方に合わせていくつかの設定変更をしています。
自分にとっては初めてのミラーレスなので使いながら変えてゆく部分もあるでしょうが、使用説明書(PDF 版(cam.start.canon)、HTML 版(cam.start.canon))を見ながら以下の変更を行いました。
物理ボタンで設定
機能名 | 設定内容 | 説明書ページ |
---|---|---|
測光モード | 中央部重点平均測光 | pp.253-254 |
ドライブモード | 高速連続撮影+ | pp.413-415 |
メニュー画面から設定
機能名 | 設定内容 | 説明書ページ |
---|---|---|
記録画質 | RAW(SD1), JPEG L ファイン(SD2)[1] | pp.119-120 |
露出補正/AEB設定 | AEB を ±1 段に設定[2] | pp.129-130 |
フリッカーレス撮影 | する | pp.146-147 |
ホワイトバランス | AWB-W(ホワイト優先) | pp.165-169 |
レンズ光学補正 - 歪曲収差補正 | ON | pp.190-192 |
長時間露光のノイズ低減 | AUTO | pp.196-197 |
カードなしレリーズ | OFF | p.228 |
手ブレ補正(IS機能)設定 - 静止画IS | 撮影時のみ | pp.229-230 |
撮影画像の確認 - 撮影画像の確認時間 | 切 | p.234 |
撮影情報表示設定 - モニター情報表示カスタマイズ | 画面2・5をオフ、画面1のタッチボタンをオフ&水準器をオン | pp.241-242 |
撮影情報表示設定 - ファインダー情報表示カスタマイズ | 画面1・3をオフ、画面2の詳細撮影情報をオフ&水準器をオン | pp.243-244 |
撮影情報表示設定 - グリッド | 24分割 | p.246 |
撮影情報表示設定 - ヒストグラム - 表示サイズ | 小さい | p.247 |
動画記録画質 - 動画記録サイズ | FHD 59.94P | p.278 |
手ブレ補正(IS機能)設定 - 動画電子IS | 入 | p.318 |
AF方式 | スポット1点AF | pp.356-357 |
検出する被写体 | 優先なし | p.365 |
タッチ&ドラッグAF設定 - タッチ&ドラッグAF | する | p.378 |
タッチ&ドラッグAF設定 - 位置指定方法 | 絶対位置 | p.379 |
フォーカスガイド | 入 | pp.385-386 |
AF方式の選択方法 | メイン電子ダイヤル | p.406 |
拡大倍率設定(約) | 10倍 | p.435 |
RATEボタンの機能 | プロテクト | p.514 |
再生時のグリッド | 24分割 | p.520 |
記録機能とカード・フォルダ選択 - 📷記録機能 | 振り分け | p.673 |
電子音 | 切 | p.704 |
節電 - オートパワーオフ | 3分 | p.706 |
センサークリーニング - 自動クリーニング | する | p.721 |
ブラケティング自動解除 | OFF | p.746 |
シャッタースピード制御範囲設定 | 2″〜2000 | p.750 |
ボタンカスタマイズ - シャッターボタン半押し | 測光開始(いわゆる「親指AF」) | pp.752-753 |
レンズなしレリーズ | ON[3] | p.766 |