富山地鉄17480系、在来車と増備車の比較や最近の変化
先月のことですが、Go To トラベル(goto.jata-net.or.jp
)を利用して北陸地方へ行ってきました。目当ては富山地方鉄道17480系と、シングルアームパンタグラフへの換装が始まった北陸鉄道7000系です。
富山地鉄に乗るのは5年ぶり。昨年末に営業を開始した元・田園都市線所属車の調査が主目的でしたが、在来車(元・大井町線所属車)にも変化がありました。
タイフォンカバー(?)
富山地鉄では東急車の併結運転を行うつもりがないためか、譲渡に際し東急時代で言う正面山側(電鉄富山駅基準でJR線側)のブレーキ管が撤去されています。また、下回りの塗装が灰色化されたのに合わせて赤色がアクセントだった非常連結栓まで灰色に塗られてしまったので、東急時代と比べてのっぺりした印象を受けるようになりました。
今回の訪問で、一部の車両のブレーキ管跡地にカバーが取り付けられているのを確認しました。位置的に電子警笛の保護用途でしょうか?
おもしろいのは車両によって設置有無と形状が異なることで、モハ17482は正方形に近い小型の板なのに対し、モハ17483、モハ17484は非常連結栓も覆う大型タイプ、モハ17481は未設置という状況です。
- モハ17481: 未設置
- モハ17482: 小型
- モハ17483: 大型
- モハ17484: 大型
元・田園都市線所属車の4両はいずれも未設置ですが、東急時代末期に取り付けられた補助排障器を備えているから不要なのか、それとも単に設置工事の順番が後回しなだけなのか、今後の動向に要注目ですね。
空気圧縮機
東急8590系 → 地鉄17480系の譲渡工事でもっとも大きな変化は空気圧縮機の換装でしょう。
2013年にデビューした元・大井町線所属車は部品共通化の目的からか、 HS-20 型(w0s.jp
)から地鉄の他車種の多くに使用されている C-2000M 型に換装されました。
元・田園都市線所属車についても2両とも換装されています。今回の訪問では至近距離で観察するチャンスがなく、機器形式を調べることはできませんでしたが、遠目に見た感じでは同じ C-2000M 型のように思えます。
列車情報設定器
方向幕の設定器は東急時代の押ボタンタイプの機器を流用しています。
2013年にデビューした元・大井町線所属車は配線替えを嫌ったためか、空きコマが多数あるにもかかわらず東急時代に使われていたボタンを再利用しており、そのため「舟橋(越中舟橋)」を種別欄の「貸切」撤去跡に無理矢理入れ込むなど苦心の跡が見受けられます。
元・田園都市線所属車もやはり東急時代に使われていたボタンを極力活用していますが、もともと行先パターンが多かったためか余裕があり、以下の7駅が追加されています。
- 越中荏原
- 中滑川
- 南富山
- 電鉄魚津
- 舌山
- 新黒部
- 本宮
なお、これらは専用のページにも掲載しています(とくに画像を見られない方はこちらから閲覧ください)。
- 元・大井町線所属車(
w0s.jp
) - 元・田園都市線所属車(
w0s.jp
)
デハ8181 の移動
部品取り車として入線したデハ8181は、当初はパンタグラフを外された程度で、東急電鉄の社紋や大井町線ステッカーも付いたままの状態でした。その後、長らく稲荷町車庫の片隅に置かれていましたが、最近になって南富山車庫に移動しました。
入線直後の写真と比較すると、
- 妻面の転落防止幌撤去
- 側面の社紋撤去
- 側面の号車札撤去
- 側面の大井町線ステッカー撤去
- 側面方向幕が山側のみ撤去(海側は健在)
といったように、いくつかの部品が撤去されているのが分かります。一方、側面の弱冷房車ステッカーや側ドアの非扱いステッカー(戸越公園駅)、優先席ステッカー、車内の消火器などは依然健在です。