『魔法少女まどか☆マギカ』新作映画に関する想いとか
昨日行われたオンラインイベント「魔法少女まどか☆マギカ」Anniversary Stage(10th.madoka-magica.com
)の中で、新作映画の告知(www.madoka-magica.com
)がありました。
この作品に関しては個人的に想い入れが強く、まだ感情を整理できていない部分も多いため、いつにも増して駄文となりますが、取り急ぎ感じた想いをつらつらと。
「脚本:虚淵玄」について
この作品が2013年公開の『[新編]叛逆の物語』で完結ではなく、いずれ新作が作られるであろうこと自体はこれまでに公開された複数のインタビューで明らかでしたが、虚淵さんが関わるかどうかについては五分五分くらいに思っていました。
以前に叛逆以降の『まどか☆マギカ』新作に虚淵玄は脚本として関わるのかや雑誌「ダ・ヴィンチ」で虚淵玄特集の記事にも書きましたが、氏自身は自分が脚本として作品に関わり続けてゆくことにこだわりはなく、他の人が脚本を担当する可能性も充分考えられました。
結果としてド直球で虚淵さんが脚本を書かれることになり、それも脚本は鎧武を終えた直後、東離劍遊紀にとりかかる直前に脱稿してた
と言われているようにかなり前の段階で脱稿されていたとのことで、これには流石に驚きを隠せません。
もっともこのことを手放しに喜べるものではなく、2つの意味で不安要素もあります。
ひとつは「なぜ虚淵玄か」という視点。前述のとおり、ご本人は脚本を他の人に任せても良いと考えている中での続投は、逆にいえば「虚淵玄に任せる以外の手段がなかった」との見方もできます。これはすなわち「もはや『まどか』は虚淵玄にしか作れない」ということであり、ガンダムシリーズのように多種多様な展開をする未来が失われたとも捉えられます。それに対する答えのひとつが『マギアレコード』を外伝作品として展開していることなのかもしれません。そうすると将来的に無限に続編を作るわけにはいかず、どこかのタイミングで完結を目指す必要があります。今回発表された新作で完結するのか、あるいはもう何作か作った後のことになるのかは分かりませんが、そう遠くないうちに完全な終わりを迎える覚悟がファンの側にも求められそうです。
もう一つは時の流れ。改めていうまでもなく、前作『[新編]叛逆の物語』の公開から現時点ですでに7年半が経過しています。総監督や脚本はじめ主要スタッフが変わらないとはいえ、これだけの時が流れたことから、制作側も視聴者側もTVシリーズ → 新編の時と同じような感覚でいるわけにはいかないでしょう。それこそ、完結を意識する点も含めて『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』と共通する部分も多くなるのではないかと予想しています。
ファン活動について
『まどか☆マギカ』はこれまでに展示会をはじめ様々な催しがあり、一時はほぼすべての公式イベントを追いかけていた中で多くの同好の士と出会うことができました。家で一人でアニメを観ているだけでは決してできなかった体験も多数させていただき、お付き合い頂いた皆様には感謝致します。
今後も夏に計画されている魔法少女まどか☆マギカ 展示会(10th.madoka-magica.com
)をはじめ多くのイベントがあると思いますが、これまでのような活動はもうしないでしょう。
その理由は自分自身の中で取捨選択の基準が付いたこと。もともとアニメ自体は幼少時から継続して観ていましたが、展示会に足を運ぶなど単なる視聴者の枠を超えた活動をはじめたのはこの作品に出会ってからです。当初は視聴以外のファン活動としてどんなものがあるのかも良く分からず、ただがむしゃらに情報を収集し、現地へ足を運び、収集や記録に精を出していたような気がします。そして、ある程度そのような活動を継続するうちに、自分の中で本当にやるべきこととそうでないこと(単に周囲に合わせていたこと)の違いがはっきりするようになってきました。
ここ1年はコロナ禍で外を出歩く機会も少なくなり、またコミケットや AnimeJapan を初めとするイベント自体も中止・延期が続く中で、改めて自分の活動を振り返ってみて、注力すべき点というか、自分の立ち位置が分かってきました。気付くのが遅い?
仮に今後、コロナ禍が収まり情勢が元に戻ったとしても、以前のように現場で頻繁に顔を合わせる機会は少なくなると思いますが、それはこういう理由です(ということを、この場でもって主に知り合いの方に共有したかった)。
さて、多くの方とお付き合いさせて頂いてきた中で、残念な出来事もありました。
そのひとつは「ネタバレ」に関する意識の差。「ネタバレ」と言っても作品内容ではなく、周辺動向も含めた展開に関するもので、要は公式発表前の情報に関する取り扱いです。
昨夜のイベントでも、複数のニュース媒体が公式告知の数分前に記事をアップし、そのツイートが RT 等で拡散されたことで意図せず先にサプライズの情報を知ってしまう方が続出する事態が発生しました。私自身も配信画面で特報映像が流れる直前に Twitter の TL で「新作」「劇場版」の文字を目にしてしまいましたし、それと同時にフォロイーの怒りのツイートも多数流れてきました。こういったリリースは事前に解禁時刻が示し合わされていて、ニュース媒体側もそれに従いアップしただけなのでしょうけど、結果としてそれを目にしてしまったファンは本来の告知方法で新鮮な驚きを味わうという体験が失われてしまったわけです。
これに関連して個人的に忘れられない出来事は『マギアレコード』のTVアニメ化の時のこと。こちらのアニメ化告知は、2018年9月のイベント会場でやはりサプライズとして発表されたわけですが、実は私は1年以上前にそのことを知っていました。望んで情報を得たわけではなく、同好のファンから一方的にメッセージが送られてきたのを目にしてしまうという形で。
そのため発表当日、会場の席で周囲が盛り上がる中、私は醒めた気分で居たのです。「アニメ化する」という情報を知ったうえでタイミングを考えれば、発表がこの場しかあり得ないことは容易に推測できていましたから。
作品体験のひとつを台無しにされてしまったわけですが、このメッセージを送った人は純粋に親切心で情報を共有したつもりだったのではないかと思います。ただ「ネタバレ」に対する意識が異なり、当人自身は未公開の情報を正規の方法より早く知ることに負の感情を抱かないからこその行為であり、それを嫌がる人もいる(他の人と同じタイミングで体験を共有することを重視している)ことへの想像力が欠けていたのかもしれません。
いずれにしても「正統続編」である今回の新作劇場版の告知に際し、無配慮なニュース媒体による若干の早バレはあったにせよ、ここまで酷い事態が今回は自身に起こらなかったのはひとつの安堵でありました。
作品内容に関する直接的なネタバレでなければ、このような未公開情報を知ることを気にしない、むしろ早く知りたいファンも多いと思います。ただ、少なくとも私はこういうことはして欲しくなかったし、今後もやめて欲しいのです。いきなりメッセージを送られてしまう形だと自衛のしようがないので、こういった形ですが改めて意思表明させて頂きます。