「今石洋之の世界」展で『俗・さよなら絶望先生』(絶望ファイト)の絵コンテ等が展示

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埼玉県所沢市の角川武蔵野ミュージアムで開催中の展示会、今石洋之の世界(www.imaishi-expo.com)に行ってきました。

監督を務めた『天元突破グレンラガン』や『キルラキル』などの展示が中心ですが、最後の方にある「いろいろの世界」コーナーでは絵コンテを手掛けた『俗・さよなら絶望先生』第9話Cパートの「絶望ファイト」に関する資料展示が行われています。

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写真1:「今石洋之の世界」展の入口

展示されているのは以下の資料です。

  • キャラクター設定(今石): 2枚
  • キャラクター設定(芳垣): 5枚
  • 絵コンテ: 30枚

キャラクター設定

キャラクター設定は今石洋之さんと芳垣祐介さんの二人で手掛けられたようで、芳垣さんは怪獣デザインの設定、原画と作画監督を担当されたとのことです[1]

今石さんのラフイラストには糸色望を含めた8人が描かれており、それぞれ参考にした怪獣名も併記されています。

  • 絶望: セブン
  • マリア: ウー
  • カエレ: アギラ
  • カフカ: イカルス
  • チリ: ガッツ
  • める: エレキング
  • あびる: ケロニア
  • まとい: キーラ

このうち、カエレのイラストには首の辺りに「のぞき穴」の注釈が書かれています。確かに、実際のアニメ映像を見ても上半身アップのカットでは小さな穴が11個空いているのが分かります。

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図1:カエレ怪獣の上半身アップのカット(俗・9話のキャプチャー)

また、芳垣さんのラフにはさらに「ナミ」のイラストも描かれています(参考怪獣名の記載はなし)。「絶望ファイト」では奈美の出番は少なく、僅かな登場シーンも他の怪獣と異なりほぼ棒立ちのみなのですが、絵コンテの表紙に「ナミ: フツーすぎて入れない」とメモ書きがあり、まあそういうことのようです。いかにも奈美らしい残念っぷりですが、DJCD『さよなら絶望放送』第5巻(Amazon)(上田さんゲスト回)では文字どおり“大暴れ”できたのでプラマイゼロでしょうか。

絵コンテ

絵コンテは

  • 絶望の大逆転戦法!
  • 絶望ゲバゲバ地帯
  • 絶望はパンチがお好き
  • この絶望の果て
  • くたびれ損の絶望もうけ

の5エピソードがすべて展示されているのは嬉しいところです。このうち「絶望の大逆転戦法!」のみ近くのディスプレイで時折映像が流れており、絵コンテと比較しながらの鑑賞もできるようになっていました。

それぞれの話で注目したい点をいくつか紹介します。

絶望の大逆転戦法!

絵コンテではラストカットでマリア怪獣とカエレ怪獣に食べられる望の顔がはっきりと描かれており、「目開いている(目パチ有)」との注釈がありました。しかし、後から追記されたであろうメモ書きで「岩で隠して死体をみせない」とあり、実際の映像でも死体は足元しか見えないようになっています。

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図2:ラストカットで食べられる望(俗・9話のキャプチャー)

絶望ゲバゲバ地帯

このエピソードでは登場する怪獣がカットによって変わっており、最初の授業シーンにいなかったカエレがマンモス狩りでしれっと合流したかと思いきや、戦闘に参加していない奈美が天に召された一方で千里は死んでおらず、さらに死んだはずのカエレがラストシーンで肉を食っているという、いろいろ矛盾したものになっているのですが、絵コンテ段階でも「死んで天に行く人数6~7人 数合わない」と書かれており、意図的に正確性を無視したものだったようです。

絶望はパンチがお好き

この話は晴美がセーラー服を着た普通の人間として登場するのですが、絵コンテでは「可符香」の文字に打ち消し線を引いて「ハルミ」としており、当初構想では可符香が人間姿で登場する予定だったようです[2]

晴美に変更された理由までは書かれていませんが、可符香は怪獣姿で登場済みであることと、この少女は最初に千里と戦うことから関係性の深い晴美にスポットが当たったのかもしれませんね。

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図3:セーラー服姿の晴美(俗・9話のキャプチャー)

くたびれ損の絶望もうけ

未来描写の参考として2300年未来への旅(Amazon)の作品名が挙げられていました。原始時代の描写がはじめ人間ギャートルズ(www.tms-e.co.jp)を参考にしたことは周知の事実ですが、未来描写にも元ネタがあったのですね。

図録

展示会は一部フォトスポットを除き撮影禁止なので、これらの展示物を写真で記録に残すことはできませんが、今後公式図録(www.imaishi-expo.com)が発売されるということで、もしかしたらそちらに収録されるかもしれません。ただ、現時点では価格や詳細は未定で、本図録に掲載される内容は、展示会に掲示されたものと同一ではありませんとの注意書きがあるので、続報を待ちたいところです。

TRIGGERオンラインショップ(trigger.ecq.sc)での一般受注が予定されているとのことで、収録さえされれば遠方の方でも入手は容易だと思います。このオンラインショップは海外版(trigger-global.ecq.sc)もあるので、日本国外の方も買えるかもしれませんね。

  • [1]実際、俗・9話エンディングにも「原画・作画監督・怪獣デザイン」としてクレジットされています。
  • [2]「可符香」の文字は2か所に書かれているので、単なる書き間違いではなく、当初は本当に可符香を人間姿で登場させる予定だったものと考えられます。