グラフや図の脇に詳細な説明文がある場合、代替テキストは不要なのか
TLで話題になっていた記事について。
- 2016年はアクセシビリティの年!注目するべき3つのポイント - DMM.comラボ デザイナーズブログ(
design.dmm.com
)
いろいろ細かい突っ込みどころはあるのですが、「こういう解釈が蔓延ると嫌だな」と思ったことがあるので1点だけ。
もし「同じ情報が2度読まれる」ことが問題なら、視覚的に画像を見る人にとっても、グラフと文章で同じ情報が2度提示されることになり、じゃあどちらか片方でいいよねという話になってしまう気がします。
そもそもなぜ文章とは別にグラフを用意しているのでしょうか? 長々とした文章を読むより、視覚的にパッと分かるグラフ画像を「合わせて」提示したほうがより分かりやすいからではないでしょうか。であれば代替テキストは必要だと考えます[1]。
それに、グラフは人間が目で見るためだけのものではありません。ウェブという媒体が、テレビや本などと大きく異なる点のひとつに、機械可読性に優れている面があります。「4月は1,250台と伸びましたが、5月は940台、……」という日本語の文章を機械的に判断するには高度な言語解析技術が必要でしょう。
一方、もしこういうマークアップだったらどうでしょうか。
<object data="graph.png">
<ul class="sales-volume">
<li><time datatime="2015-04">4月</time>: <data value="1250">1,250台</data></li>
<li><time datatime="2015-05">5月</time>: <data value="940">940台</data></li>
</ul>
</object>
<p>4月は1,250台と伸びましたが、5月は940台、……</p>
- 元記事はグラフ画像と文章で「月」の情報が食い違っていますが、引用にあたっては文章の方を正としています。
代替テキストがない場合と比べて、ウェブスクレイピングで情報を解析し、データを2次利用するのがひじょうに簡単になります。
これって「アクセシブル」だと思いませんか?
脚注
-
1.
画像の横に文章で書かれているから、面倒なら書かなくてもいい。でも書いたっていい。少なくとも「書くな」と言うことはできない。くらいのニュアンスです。 ↩ 戻る