『まどか☆マギカ』コンセプトムービーの注目点
先日開催されたMADOGATARI展の東京アンコール会場(www.madogatari.jp
)で、コンセプトムービー Type-B の絵コンテや設定、原画が一部展示され、また図録に付録の Blu-ray に映像が収録されました。
以前から「まどか資料館」内のコンセプトムービーの映像とセリフの一覧ページ(w0s.jp
)で情報をまとめているほか、当ブログでもクマの魔法少女や「チューブガール」についてピックアップした記事を書いたことがありますが、展示で新たに判明したこと、また絵コンテやBDでより深く検証できるようになったので、あらためて注目すべき箇所をまとめてみたいと思います。
マミの巨大石像
冒頭、巨大な石像が空から落ちてきます。以前から、髪型よりマミではないかと言われていましたが、絵コンテに「マミの自由の女神像」と明記されていました。自由の女神像ということから、エルザマリア(影の魔女)との関係性にも思いを馳せられます。
【イメージボード】井戸を覗き込むまどか
穴を覗き込むまどかの背景に見える月(?)は1/3程度に欠けていますが、欠け方が天体のものではなく、円グラフのような境界になっています。
欠けた月と言えば、叛逆でのほむら改変後の半月が印象的ですが、そちらは物理的に半分になっているように見えます(欠けた側は奥の空が透けている)。それと比較して、こちらの1/3月はどういった意味合いのものなのでしょうか。
魔獣の首を撃ち落としたマミ
魔法少女姿のマミと首なし魔獣のカット、映像では分かりにくいのですが、会場に展示されていた設定画ではマミは魔獣の頭の上に立っていることが分かりました。
素直に考えれば魔獣と対決して首を打ち落としたところなのでしょうが、魔獣の右胸部分に人の顔の右半分のようなものが覗いているのが気になります。
まどか『瀕死の白鳥』ポーズ
バレエまどかが身体を大きく反らすポーズを決めている背後には多数の人影が見えますが、これはスカートを履いた女子であり、一部は見滝原制服のようにチェック柄であることが分かります。また、髪型が杏子に似ている子も見えます。
ほむらの拍手
制服姿のほむらが拍手するシーン。顔に影がかかっており、てっきり悪魔ほむらの笑いのような不敵な表情をしているのかと想像していたのですが、東京アンコール会場のシアターではこれまでの会場より鮮明になっており、柔らかく微笑んでいる様子が視認できました。さらにBD映像を画像処理すると、顔全体の表情がはっきりと分かります。
表情以外にも、下記のように注目すべき点の多いカットです。
- ほむらが着ている制服の襟元リボンは、まどかの髪留めのような形。
- 制服の袖口の形状もこれまでとは異なる。
- 左手の薬指に指輪をはめている。
- 左手の手の甲に宝石(?)が付いている。形状はまどかのソウルジェムのようにも見える(少なくともほむらのソウルジェムではない)。
【イメージボード】クマ着ぐるみの魔法少女
拍手ほむらの直後に7枚のイメージボードが次々と切り替わるのですが、最後の2枚はTV版12話および劇場版後編にも一瞬だけ登場する、クマの着ぐるみをした魔法少女に酷似しています。
【イメージボード】チューブガール
首から3つの管が生えた少女。名前はチューブガールで、説明文には「しゃべるとブォーブォーなる。ホルン系の管楽器みたいな声で歌う 内気で心優しい。」とあります。
また背景は、階段や木など「叛逆の物語」の水上カフェを思い起こされるアイテムが描かれています。
【イメージボード】囚われのさやか
単に囚われているだけでなく、会場に展示されていた設定画では衝撃的なことが書かれていました。括弧内は筆者による補足です。
- さやか顔全体、ベールで包まれている。
- 髪留めのフォルテッシモがピアニッシモになっている。
- 「指の骨」「装飾された腕の骨」(がマントから吊るされている)
- (足の)影に虫ピン刺さっている。
オクタヴィアとサトリ魔獣の対峙
オクタヴィアと対峙しているのは、姿形は間違いなくサトリ魔獣なのですが、絵コンテの手書きメモには「敵マジョ」と書かれていました。
- 「敵」であると明言している。
- 魔獣ではなく「マジョ」と書かれている。
後者については、魔獣の姿形をしていても(あるいは魔獣そのものが)実は魔女だったと深読みすることも可能でしょうが、個人的には単なる誤記か、途中で設定が変更になっただけではないかと思います。
倒れているさやか
さやかの両足の膝から白い光が出ているように見えますが、展示された設定絵では、アルティメットまどかの靴の羽のような形が書かれていました。映像でも目を凝らして見ると判別できますね。アルティメットまどか(あるいは円環システム)がさやかを抑えているのでしょうか。
封印御札
円環マークの下に書かれている魔女文字は「EIEN NI SITE(永遠にして)」です。これは文章の上1行だけが写っているのであり、続きがあります(後述)。
囚われのさやか
どこかの部屋のような場所にさやかが囚われていますが、両脇の柱を鎖で繋がれたオクタヴィアの手が握っています。東京アンコール会場では部屋全体を描いた絵が展示されており、さやかはオクタヴィアを召喚した状態で一緒に拘束されている、と受け取りました。
部屋の中には多数の封印御札が浮遊していますが、そこに書かれている魔女文字の全文は永遠にして魔法なる理の元にこの者の自由と愛を奪う
です。
林の中を駈けるなぎさ
木の葉は落ちていますが、地面には緑が広がっているので季節は早春でしょうか?
【イメージボード】折れた剣を突きつけられるほむら
剣を持った相手はカーテンに隠れて見えませんが、見滝原制服のように思えます。剣使いといえばさやかですが、柄の形が違うので別人かもしれません。
また、ほむらは魔法少女服ですが、よく見ると弓を持っています。
燃え上がる街並み
地面が崩壊し、燃え上がる街の中に五重塔があるのが目立ちます。絵コンテによれば、後方に斜めに横たわる巨大な構造物は銃で、その上に小さく見える人影はマミだそうです。
【イメージボード】クマの魔法少女(?)と戦う偽街の子供達
カイゼル髭を生やしたクマのような生き物(魔法少女? ナイトメア?)と戦う偽街の子供達。描かれているのはミエとレイケツの2人です。
クマは裁縫で使う縫い針を右手に持っています。これは前述のクマの着ぐるみを着た魔法少女の設定画にも描かれていることから、こちらのクマもその魔法少女か、あるいは彼女のナイトメアではないかと思われます。
マミとさやか共闘
マミはいつものマスケット銃ではなくさやかの剣を両手に持っています。何らかの原因で銃を召喚できなくなってしまったのか、単にこのシーンでの対象物は剣の方が都合良いからなのか。
いずれにしても、この二人のみで共闘する場面はこれまでの本編ではなかっただけに、さやかにとって憧れの先輩であるマミと二人で、しかもマミに自分の剣を使わせて戦うシーンが新作でどのように描かれるのか今から楽しみです。
地球から生えた巨大な構造物
「ベベに似ている」と言われて、たしかにそう見えるなと納得した次第です。口から出ているのは、燃え上がる街並みでも描かれた銃と思われます。
手前の天体は絵コンテによれば月だそうで、ここでは球体で描かれていますね(物理的に半分にはなっていない)。
不敵な笑いを浮かべるほむら
ここでのほむらは、TV版12話および劇場版後編でのまどかによる世界改変で失ったはずの盾を左手に装備しています。一方、髪を右手で払っていることから、悪魔状態であると推測されます。
ほむらはこれまで髪を払うのに左手を使っていましたが、「叛逆の物語」での悪魔化後は右手を使っているからです[1]。
逃げる新魔法少女服(?)姿のまどか
絵コンテには「走ってくるまどか 体が光ってくる」と書かれていましたが、映像ではそのような変化は確認できませんでした。これはどういう意味なのでしょうか。
妖精たち
赤、緑、青、紫など様々な色をしたシルエット、絵コンテではたくさんの〓〓〓〓が乱舞する
と、なぜか一部が修正テープで隠されていました(おそらく3〜4文字)。このシーンで流れるセリフがあなたたちも、妖精さん?
であることから、すなわち「妖精」やそれに類する単語ではない何かなのでしょう。
シルエットは一見9人に見えますが、次のシーンに移る直前に左隅にオレンジがチラッと出現するので、最低でも10人は描かれていることになります。
マミ(?)が放つ銃
仁王立ちするマミの次のシーンで、銃から弾が発射されます。順当に考えればマミが放っているのでしょうが、銃口の形状が普段使っているマスケット銃とは異なります。
全体的な感想として、絵コンテの展示や、Blu-rayで多くの情報が明らかになった反面、謎は余計に深まるどころか新作のストーリーは想像よりも恐ろしいものになる予感がしてなりません。「叛逆の物語」を初めて観たときにも相当のショックを受けましたが、それを超える衝撃を覚悟しておく必要がありそうです。
とりあえず私が言いたいのは、これ以上さやかちゃんを痛い目に遭わせないでください。お願いします、この通りです。
脚注
-
1.
さわKさんによる叛逆公開当時のブログ記事まどかマギカ叛逆の物語感想その19(バレ注意) 「髪は、おんなのいのち」。(
chiqfudoki.blog.fc2.com
)にも、悪魔化後に髪を払う手が変わったことについての言及があります。 ↩ 戻る