鉄道車輌ガイド vol.26 東急7000系

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9月に発売された鉄道車輌ガイド vol.26 東急7000系(www.neko.co.jp)をようやく読みました。

旧7000系の基本的な紹介に加えて、7700系化後の現在の姿や地方譲渡車についても取り上げられており、全体的には浅すぎず深すぎずバランスの取れた良書に仕上がっていると思います。とくに pp.50-67 にかけて、1ページに1~2枚の大きさで形式写真がふんだんに掲載されているのは素晴らしいですね。

その中で、形態面でよくぞ取り上げてくれたと思うのが屋根上のヒューズ箱(p.24)と妻面のIRアンテナ(p.63)。これまで東急電車全般を取り扱うサイトや書籍はもちろん、旧7000系の形態に焦点を絞った記事ですら取り上げられたことが皆無だったこれらのパーツについて、写真付きで紹介されたのはおそらく初めてかと思います。

一方、ところどころ気になる部分がないわけでもなく。

  • p.24: 東洋車と日立車の違いについて、外観で異なるのはパンタ車のヒューズ箱とその配管、床下機器程度であるとの紹介に留まっているのは残念。運転台のマスコン形状も異なりますし、床下機器についてもどの機器が違ってどの機器は共通なのか、もう少し詳細な言及があれば良かったです。
  • p.37: 7200系について、サヤ7590の存在にまったく触れられていないのはさすがに……。また、7200系の引退は2000(平成12)年の記述も誤りですね。目蒲線で最後まで営業運転で活躍した車両のうち、デハ7211、デハ7259は十和田観光電鉄へ譲渡された2002年7月まで東急の車籍が残り、その後も非営業車3両は回送列車の伴車や検測運転で活躍していました。
  • p.68: こどもの国線用7057Fについて、この2輌はワンマン化に際し、前面の貫通ドアが左右対称に改造されていないは誤解を招くかと。ワンマン化改造当初はそうでしたが、最終的には両車とも改造されたので。
  • p.69: こどもの国線の7000系台車を紹介するなら、踏面清掃装置の存在も無視できないはずでは。レール塗油器などマニアックなパーツにまで触れるなら尚更。
  • p.98: 参考文献一覧で「『鉄道ピクトリアル』各巻」などと書かれているのは何の意味があるのでしょうか。参考文献を辿りたければ創刊号から全号・全ページ読めと言いたいわけではないと思いますが、この情報を読者に提示することでどんなメリットがあるのかよく分からないです。

IRアンテナ撤去痕のバリエーション

さて、先に取り上げたうち妻面のIRアンテナについて、2010年時点のバリエーションを紹介しましょう。2017年の最新状況は把握していませんが、車両自体の廃車が進んでいる他は、改修工事等で形態が変わっていることはおそらくないと思います。

東急7700系

  • 上側がネジ4本留め、下側が金属板を介してネジ4本留め: 7701~7703, 7705~7707, 7712, 7714, 7901~7902, 7907, 7912
  • 上側がネジ4本留め、下側が金属板を介してネジ2本留め: 7903, 7905~7906
  • 上側がネジなし、下側が金属板を介してネジ4本留め: 7713, 7913
  • 上側が板撤去、下側が金属板を介してネジ4本留め:7914
  • 撤去痕なし: 7708, 7710, 7908, 7910(7000系1~2次車からの改造車)、7715, 7915(中間車からの改造車)
オリジナル画像
写真1:妻面IRアンテナ撤去痕(デハ7702上部)
オリジナル画像
写真2:妻面IRアンテナ撤去痕(デハ7702下部)

十和田観光電鉄7700系

  • 上側がネジ4本留め: 7701, 7901
  • 撤去痕なし: 7702, 7902(7000系1~2次車からの改造車)
  • 判別不能(痕跡が薄い): 7703, 7903

弘南鉄道7000系

  • 上側がネジ4本留め、下側が金属板を介してネジ2本留め: 7022
  • 上側がネジ4本留め、下側が金属板を介してネジ4本留め: 7037, 7038, 7040
  • 上側がネジ痕4本、下側が金属板を介してネジ2本留め: 7012, 7013, 7023
  • 上側がネジ痕4本、下側が金属板を介してネジ4本留め: 7033, 7034
  • 上下とも金属板を介してネジ4本留め: 7011, 7021, 7031, 7032
  • 上側が金属板(変形タイプ)を介してネジ4本留め、下側が金属板を介してネジ4本留め: 7039
  • 撤去痕なし: 7101~7103, 7105, 7152~7155(中間車からの改造車)
オリジナル画像
写真3:弘南鉄道デハ7039のIR撤去痕・変形金属板タイプ

福島交通7000系

全車撤去痕なし

北陸鉄道7000系

  • 上側がネジ4本留め、下側が金属板を介してネジ4本留め: 7001, 7011, 7101, 7102, 7111, 7112
  • 撤去痕なし: 7201, 7202, 7211, 7212(中間車からの改造車)

水間鉄道7000系、1000形

  • 上側がネジ4本留め、下側が金属板を介してネジ4本留め: 7103
  • 上側がネジ4本留め、下側が金属板: 1003
  • 上側がネジ痕4本: 1001
  • 上下とも金属板を介してネジ4本留め: 7003
  • 撤去痕なし: 1002, 1004(理由不明)、1005~1008(中間車からの改造車)