'90年代の少年サンデー「元気まつり」について
1992年より週刊少年サンデーのイベント「元気まつり」が何度か開催されています。
当時の連載作家によるトークショーやサイン会、アニメ上映会などが行われたそうですが、参加者によるレポートや写真を見かけることは少なく、その全容を知ることは難しい状況です。
そこで、サンデー本誌のバックナンバーから告知記事や公式レポートが掲載された号を調べてみました。
元気まつり(1992年)
1992年7月〜8月にかけて全5会場で開催されたようです。
当時の少年サンデーに掲載された告知記事より企画内容を抜粋します。
- 週刊少年サンデー 1992年28号(pp.5-7) フルカラー、登壇作家の顔写真掲載
- 週刊少年サンデー 1992年29号(pp.16-17) 2色カラー、登壇作家の顔写真掲載
- 週刊少年サンデー 1992年7月増刊号(p.479) モノクロ
また、週刊少年サンデー1992年38号(8月26日発売)では東京会場の公式レポート記事が写真付きで2ページにわたり掲載されています(pp.114-115)。
会場
日付 | 場所 | 定員 | 出演作家 |
---|---|---|---|
7月26日(日) | 東京 | 1000名 | 青山剛昌、あだち充、河合克敏、藤田和日郎、満田拓也、ゆうきまさみ |
7月30日(木) | 札幌 | 350名 | 北崎拓、久米田康治、西森博之、藤田和日郎 |
8月8日(土) | 福岡 | 600名 | 椎名高志、藤田和日郎 |
8月9日(日) | 大阪 | 500名 | 青山剛昌、椎名高志、藤田和日郎、渡部精二 |
8月22日(土) | 名古屋 | 500名 | 北崎拓、久米田康治、藤田和日郎 |
- このほか高橋留美子先生が4会場に電話出演(具体的な会場は不明)。
- サンデー本誌のレポート記事によると、東京会場の登壇漫画家は事前告知の6人に対し、実際は5人でゆうき先生は欠席だったようです。また週刊少年サンデー1992年37号(9月22日号)の巻末コメント(目次ページ)では北崎先生が札幌会場の病欠を詫びるメッセージを残しています。
人気まんが家大集合!
- あだち充先生新連載スペシャルビデオ上映
- 高橋留美子先生特別メッセージ公開
- まんが家ダイレクト質問会
サンデースペシャルシアター
- OVA『うしおととら』1〜2話
- 新劇場映画『らんま1/2』予告編&スペシャル版
- OVA『YAIBA』
その他の企画
- グッズ販売
- 体験ゲームコーナー(『うしおととら』『パトレイバー』)
- 抽選会
レポート記事
前述のとおり、週刊少年サンデー1992年38号(8月26日発売)では東京会場の公式レポート記事が掲載されています。これによると告知記事に掲載されていなかった企画として、原画展示もあったようです(写真が小さいため作品は不明)。
また、久米田康治先生の『行け!!南国アイスホッケー部』5巻に「サンデー元気まつり in さっぽろ レポート」と題して2ページの漫画レポートが掲載されています。
巻末コメント
サンデー本誌の目次ページでは何件かイベントに言及したコメントがありました。
- 1992年37号(8月19日発売) 高橋: 「元気まつり」にいらした皆様、直接出られなくってどうもすみません。
- 1992年37号(8月19日発売) 西森: サッポロでラーメン屋に入った。焼ソバをくった…ただの焼ソバだった。
- 1992年37号(8月19日発売) 河合: サンデー元気まつりは緊張したよ。コレを五か所まわる藤田さんはえらい。
- 1992年37号(8月19日発売) 北崎: 北海道の皆さん、イベントいけなくてゴメンなさい。本当に病気でした。
- 1992年37号(8月19日発売) 久米田: サンデー元気まつりで札幌に。半年ぶりのススキノは燃えたぜ!フフ。
- 1992年38号(8月26日発売) 青山: サンデー元気まつりに来てくれたみんな、どうもありがとう!
- 1992年39号(9月2日発売) 椎名: 福岡で色紙約束した方住所教えて。帽子を覚えてるからその事書いてね。
- 1992年39号(9月2日発売) 渡部: 大阪での元気まつりに参加。緊張したけど何かこう、よかったです。
- 1992年40号(9月9日発売) 久米田: 名古屋のイベントで北崎先生をいじめた私。美男子を見るとつい…。
- 1992年40号(9月9日発売) 北崎: 名古屋イベントで会った藤田先生はイイ人だったが久米田先生はHな…
- 1992年41号(9月16日発売) 藤田: イベントが全部終わりホッ。楽しかったけどなれんコトは疲れるネー!
- 1992年41号(9月16日発売) 北崎: 名古屋イベントの後、ひどい風邪をひいた。きっと久米田菌のせいだ!?
超元気まつり(1993年)
翌1993年にも同じような規模で開催されたようです。
当時の少年サンデーに掲載された告知記事より企画内容を抜粋します。
- 週刊少年サンデー 1993年28号(pp.114-115) 2色カラー、登壇作家の顔写真掲載
- 週刊少年サンデー 1993年29号(pp.107-109) 2色カラー、登壇作家の顔写真掲載
- 週刊少年サンデー増刊 1993年7月号(p.272) モノクロ
- 週刊少年サンデー 1993年30号(p.111) 2色カラー
- 週刊少年サンデー 1993年31号(p.88) モノクロ、増刊7月号と些末を除き同内容
また、週刊少年サンデー1993年41号(9月4日発売)では東京会場の公式レポート記事が写真付きで3ページにわたり掲載されています(pp.114-116)。
会場
日付 | 場所 | 定員 | 出演作家 |
---|---|---|---|
7月24日(土) | 大阪 | 600名 | 椎名高志、藤原芳秀、七月鏡一、木村謙午 |
7月26日(月) | 札幌 | 200名 | 青山剛昌、藤田和日郎、菊田洋之 |
8月7日(土) | 福岡 | 650名 | 斉藤むねお、北崎拓、久米田康治 |
8月9日(月) | 名古屋 | 500名 | 西森博之、満田拓也、広井王子、中平正彦 |
8月22日(日) | 東京 | 1400名 | あだち充、ゆうきまさみ、藤田和日郎、青山剛昌、村枝賢一、石渡治、河合克敏、山田貴敏 |
全会場とも12:00開場、13:00開演。
- サンデー本誌のレポート記事によると、東京会場の登壇漫画家は事前告知の8人に対し、実際は5人だったようです。週刊少年サンデー1993年40号の巻末コメント(目次ページ)では村枝先生と山田先生が欠席を詫びるメッセージを残しています。河合先生も欠席だったようですが、コメントは発見できず。
人気まんが家大集合!
- まんが家Q&Aタイム
- サンデースーパークイズ
- ラッキープレゼント
サンデースペシャルシアター
- オリジナル映像『サンデーまんが家大集合』
- OVA『人魚の傷』
- OVA『うしおととら SD版』
- OVA『らんま1/2』
- 劇場版『機動警察パトレイバー2』
- サンデー本誌の東京会場レポート記事によると『らんま1/2』のサブタイトルは『シャンプー豹変! 反転宝珠の禍』(※OVA第1弾)、また『うしおととら』に関しては作品名が変更になったのか『うしおととら CD劇場』となっています。
最新TVゲームデモプレイコーナー
- SFC『GS美神』
- SFC『らんま1/2』
- PCエンジンCD-ROM2『機動警察パトレイバー』
- サンデー本誌の東京会場レポート記事によると、他に『YAIBA』のゲームも展示されていたようです。
その他の企画
- 持田真樹(歌手)特別メッセージ
- 人気声優特別出演(司会は島津冴子、出演者リストは不明だが山寺宏一さんのみ名前が挙がっている)
- グッズ販売
- サンデー本誌の東京会場レポート記事によると、山寺宏一さんのほか高山みなみさんも出演されたようです。
レポート記事
前述のとおり、週刊少年サンデー1993年41号(9月4日発売)では東京会場の公式レポート記事が掲載されています。これによると告知記事に掲載されていなかった企画として、『YAIBA』の敵キャラコンテスト展示&授賞式もあったようです(東京会場のみ?)。
また、久米田康治先生の『行け!!南国アイスホッケー部』10巻のカバー折り返しにイベントで上映されたビデオ映像の一部が掲載されています(電子版では未収録)。『サンデーまんが家大集合』のものでしょうか。
巻末コメント
サンデー本誌の目次ページでは何件かイベントに言及したコメントがありました。
- 1993年37号(8月18日発売) 藤田: 北海道ドライブ気持ちよかった! 運転してたのは担当さんだけどね。
- 1993年37号(8月18日発売) 西森: イベントで、キャー、キャーいわれたいと思ってましたが、結果は……?
- 1993年38号(8月25日発売) 椎名: 大阪のサンデー元気まつりに来てくれた皆さんありがとう。来年もまたね。
- 1993年38号(8月25日発売) 広井: サンデー元気まつり名古屋大会にて…中平先生ったら女泣かせなんだから、もう!!
- 1993年38号(8月25日発売) 藤原: 元気まつり大阪会場で、開場前に階段で走って、転びかけたのは私です。
- 1993年40号(9月8日発売) 藤田: 元気まつりで花束やプレゼントをくれた方々、どうもありがとうね!
- 1993年40号(9月8日発売) 村枝: 超元気まつり、欠席しちゃってすみません。あとP(プレゼント)どうもありがとう!!
- 1993年40号(9月8日発売) 山田: 夏風邪で超元気まつりを欠席してしまいました。みなさん、ごめんなさい。
夏の元気まつり(1994年)
1994年は規模が縮小され、東京と大阪の2会場での開催だったようです。告知記事は週刊少年サンデー 1994年32号(pp.114-115)に掲載されています。
日付 | 場所 | 時間 | 定員 |
---|---|---|---|
8月15日(月) | 東京・ヤクルトホール | 13:00会場、14:00開演(約2時間30分) | 280組560名 |
8月17日(水) | 大阪・フェスティバルリサイタルホール | 13:00会場、14:00開演(約2時間30分) | 280組560名 |
内容としては、以下のアニメ3作品の全編上映が行われた模様です。
- 劇場版『GS美神 極楽大作戦!!』
- 劇場版『らんま1/2 超無差別決戦! 乱馬チームVS伝説の鳳凰』
- OVA『鬼切丸』
出演漫画家の記載はなく、時間的に考えても登壇なしか、あってもせいぜい短いビデオメッセージくらいだったのではないかと思われます。
おかげサマー! 日本全国サンデー祭り!!(1999年)
その後、1995年〜1998年は情報が見当たりませんでしたが、1999年には全8会場という最大規模での実施がありました。
告知記事は週刊少年サンデー 1999年28, 29, 32, 33号および7月増刊号に、レポート記事は名古屋会場分が週刊少年サンデー 1999年39号に、ビデオメッセージの内容が週刊少年サンデー 1999年40, 41号に掲載されています。
また、1999年といえば個人ウェブサイトが登場し出した時期とあって、参加者によるレポート記事も僅かながら見られます。
会場
日付 | 場所 | 定員 | 出演作家 |
---|---|---|---|
7月27日(火) | 名古屋 | 1,200人 | 椎名高志、三好雄己、石渡治 |
8月2日(月) | 大阪 | 1,500人 | |
8月4日(水) | 新潟 | 550人 | 満田拓也 |
8月8日(日) | 仙台 | 1,000人 | 曽田正人 |
8月10日(火) | 札幌 | 1,100人 | 皆川亮二、曽田正人 |
8月13日(金) | 広島 | 550人 | |
8月16日(月) | 福岡 | 900人 | 村枝賢一 |
8月21日(土) | 東京 | 1,000人 | 青山剛昌、高橋留美子、皆川亮二 |
8月22日(日) | 東京 | 1,000人 | 青山剛昌、高橋留美子、皆川亮二 |
- 上表の出演作家は誌面の予告にあったものをまとめたものですが(名古屋会場のみ公式レポート記事より)、ご覧のとおり抜けも多く、また記載のあるものについても実際の登壇者とは食い違いが見られるのであまり参考にならないかもしれません。
- 大阪会場の招待券(
kooyakooya.blog12.fc2.com
)には曽田正人、松浦聡彦、若桑一人、山本智の4名の名前が書かれています。 - 仙台会場の招待券には曽田正人、久米田康治、猪熊しのぶの3名の名前が書かれています。
- 広島会場の招待券には藤田和日郎、河合克俊、草場道輝の3名の名前が書かれています。
- 福岡会場には万乗大智の登壇があったとのことです。(2015年ゆのまえ漫画フェスタ前夜祭トークでの村枝先生の発言より)
- 東京会場(8月21日)に参加された方の発言では、久米田康治と皆川亮二の登壇があったとのことです。
- 東京会場(8月22日)に参加された方のレポート(
web.archive.org
)では、作家の登壇は高橋留美子、村枝賢一、椎名高志、安西信行の4名だったとの証言があります。 - 曽田正人は他会場も参加された模様です(具体的な会場は不明)。
- サンデー1999年28号ではあだち充の登壇も予告されています(具体的な会場は不明)。
- 司会者は名古屋会場は岩井由希子と大谷育江、名古屋会場以外は高山みなみ……と予告されていましたが、実際は会場によって神谷明、山口勝平など他の『コナン』声優も登壇されたようで、実際の全体像はよく分かりません。
メッセージビデオ
連載まんが家総出演のメッセージビデオの上映がありました。週刊少年サンデー1999年40号、41号の「投稿コミックショー」コーナーでその内容が紹介されています。作家名のみ下記に記します。
- 安西信行
- 万乗大智
- 石渡治
- 猪熊しのぶ
- 久米田康治
- 河合克敏
- 森末慎二
- 菊田洋之
- 村川和弘
- 杉本ペロ
- 西森博之
- あだち充
- 藤田和日郎
- 皆川亮二
- ゆうきまさみ
- 三好雄己
- 松浦聡彦
- 満田拓也
- 村枝賢一
- 若桑一人
- 山本智
- 南ひろたつ
- 草場道輝
- 椎名高志
- 高橋留美子
- 青山剛昌
実際の映像がビデオテープに収録されているようですが、紙面に掲載された写真によるとケースには㊙︎マークが書かれていて、また応募者全員サービスや通販等の案内もないので、小学館社内に保存されている非売品かと思われます。ぜひ見てみたいものですが……。
アニメ上映
下記の4作品が上映されたようです。
- OVA『からくりの君』
- 『Making of 名探偵コナン』
- 『探偵ジョージのミニミニ大作戦』
- 『め組の大吾』
また、イベント後の9月〜11月にかけて「書店さんデー! 大感謝祭」と称して全国11書店でも上映が行われたようで、週刊少年サンデー 1999年43号の p.306 に告知が掲載されています。
グッズ
週刊少年サンデー 1999年43号の pp.304-305 ではイベントグッズの通信販売の告知があり、テレホンカードやポスターの商品リストが画像付きで掲載されています。