「サンデーCM劇場」に登場した久米田キャラ
久米田康治先生の作品のアニメ化は2007年のさよなら絶望先生(king-cr.jp
)が最初ですが、キャラクターの出演だけならそれ以前にも事例がありました。
それは小学館とサンライズにより制作されたサンデーCM劇場(web.archive.org
)で、保存版の VHS[1]を入手できたのでその全容を紹介します。
「サンデーCM劇場」とは
1995年から放送が行われている TVCM で、週刊少年サンデーの連載作品の中から年間数作がピックアップされ、『名探偵コナン』のアニメ放送枠内などで流されていました。一部は劇場スクリーンで流れたものもあるようです[2]。
2000年代前半までは当該作品以外のサンデー作品キャラがモブとして描かれることがあり、アニメ化されていない作品のキャラが出演することも珍しくありませんでした。
以前はサンデーの公式サイトでいくつかの作品が公開されていましたが、2019年初頭に閉鎖されてしまいました[3]。現在でもアーカイブサービスで動画ファイルをダウンロードすることはできますが[4]、古い作品は画質が悪いため、小さく描かれたモブキャラクターの認識が難しいものも多いです。
一方で、読者応募サービスなどで複数回にわたってビデオパッケージにまとめられたことがあります。 VHS ですから今の感覚からすればこれも決して高画質ではないのですが、 Web で公開されていた動画よりはマシな画質となっています。
「サンデーCM劇場」に登場した久米田キャラ
第1作目の「名探偵コナン」編から、『かってに改蔵』連載終了(2004年7月)までに作られたCM劇場作品をまとめてみます。
作品名 | 放送開始時期 | 久米田キャラの登場 |
---|---|---|
名探偵コナン | 1995年8月 | 月斗 |
LOVe | ? | そあら |
MAJOR | 1995年8月 | そあら、月斗&そあら |
じゃじゃ馬グルーミン★UP! | 1996年1月頃[5] | そあら |
H2 | 1996年4月 | そあら |
ガンバ! Fly high | ? | そあら |
め組の大吾 | 1996年11月 | ポカポカ |
犬夜叉 | 1997年4月 | ポカポカ |
DAN DOH!! | 1997年8月 | ― |
タキシード銀 | ? | ― |
からくりサーカス | 1998年3月 | ― |
ARMS | 1998年7月27日[6] | ― |
デビデビ | 1998年11月頃[7] | ― |
オールスター総出演 | 1999年3月 | ― |
天使な小生意気 | 1999年9月13日[8] | 地丹 |
モンキーターン | 2000年3月 | 改蔵 |
犬夜叉 | 2000年7月 | ― |
DAN DOH!! Xi | 2000年12月 | 改蔵&羽美 |
ファンタジスタ | 2001年7月 | ― |
金色のガッシュ!! | 2001年10月 | 改蔵 |
焼きたて!!ジャぱん | 2002年3月 | 改蔵 |
うえきの法則 | 2003年2月 | ― |
MÄR | 2003年6月 | ― |
史上最強の弟子ケンイチ | 2004年2月 | ― |
WILD LIFE | 2004年7月 | ― |
以下、それぞれの出演シーンを紹介します。
行け!!南国アイスホッケー部
記念すべきCM劇場の第1作「名探偵コナン」編では、最後のキャラ集合イラストの中に月斗が描かれています。
「LOVe」編では応援団の中にチアガール姿のそあらがいます。
「MAJOR」編でも試合観客(?)の中にそあらがいます。両手を挙げた姿勢や表情は先の「LOVe」編に似ていますが、衣装は異なります。これは週刊少年サンデー1995年14号(order.mandarake.co.jp
)の表紙イラストを参考にしたものと思われます(美神令子や三橋貴志、蒼月潮など、この号の表紙イラストと同じポーズ、衣装をしているキャラが他にも見られます)。
また、その次のカットではスタンドに晴着姿の月斗とそあらがいます。サンデーの正月企画か何かのイラストでしょうか。
「じゃじゃ馬グルーミン★UP!」編でも小さくそあらがいるのが分かりますが、体勢、服装とも「MAJOR」編と酷似しています。
「H2[エイチ・ツー]」編でもスタンドにそあらがいますが、やはり「MAJOR」編と酷似したものです。
「ガンバ! Fly high」編でもスタンドにそあらがいますが、これも「MAJOR」編と酷似。微妙な違いが見られるので毎回描き直してはいるのでしょうけど、バンザイの姿勢しかできないのかとツッコみたくなってしまいます。
太陽の戦士ポカポカ
1996年11月から放送された「め組の大吾」編からは『太陽の戦士ポカポカ』になります(同年8月28日より連載開始)。
「め組の大吾」編では最後のキャラ集合イラストの中にニタリ顔のポカポカが描かれています。
「犬夜叉」編では“お座り”する犬夜叉の手前に降ってくるキャラクターたちの中にやはりポカポカがいます。
かってに改蔵
1997年8月から放送された「DAN DOH!!」編では、群衆シーンがあるものの『ポカポカ』のキャラは描かれていません。連載終了が決まっていたために除外されたのかもしれませんね(1997年8月27日発売号が最終回)。
その後、『かってに改蔵』が連載開始(1998年4月22日)されてからもしばらくCM劇場での登場はなく、1999年3月から放送された「祝 創刊40周年 オールスター総出演」編ですら出演なしです。久米田作品にはC級スターしかいないのですから仕方ありません……。
ところが、1999年9月の「天使な小生意気」編では状況が一変。このCMでは地丹が登場したのですが、群衆の中の一人ではなく本CMにおけるメインキャラの一人として描かれ、声まで当てられました。保存版ビデオのエンドロールによると、声を担当されたのは矢薙直樹(artist-crew.net
)さんとのことです。
「モンキーターン」編ではスタンドの群衆の中に改蔵がいます。
「DAN DOH!! Xi」編では観戦者の中に改蔵と羽美がいます。
「金色のガッシュ!!」編ではサンデー本誌を模した本の表紙に改蔵が描かれています。
「焼きたて!!ジャぱん」編ではパンを試食する改蔵が描かれています。
その後の「うえきの法則」編、「MÄR[メル]」編、「史上最強の弟子ケンイチ」編、「WILD LIFE」編では群衆シーンがないため、他作品のキャラ自体が登場していません。そして『かってに改蔵』は2004年7月21日に最終回を迎えたので、CM劇場における久米田キャラの登場は「焼きたて!!ジャぱん」編が最後だったものと思われます。
なお、この間2003年12月18日〜25日にはアニメイトの5店舗[9]で「『かってに改蔵』フェア」が開催され、その関連でサンデーCM劇場の「割り込みCM」と題した映像が一部店舗の店内ディスプレイにて流されたそうです。「『かってに改蔵』フェア」自体の情報は無料配布冊子「きゃらびぃ」の70号(2003年12月1日)と71号(2003年12月15日)に掲載されていますが、「割り込みCM」の記載はなく、また当時の「WEBサンデー」や「アニメイト」公式サイトのアーカイブを見ても2003年12月中旬のデータは残っていないため、その詳細は不明です。ただ当時の目撃情報を辿ると断片的な概要は判明しました。
脚注
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1.
2003年に応募者全員プレゼントで頒布されたもの。週刊少年サンデー2003年32号などを参照。 ↩ 戻る
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2.
少年サンデー超1998年9月増刊号の広告ページでは、「ARMS」編が『スプリガン』上映劇場の一部で流れることが予告されています。 ↩ 戻る
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3.
ちなみに最近の作品はYouTube チャンネル(週刊少年サンデーTV)で公開されています。 ↩ 戻る
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4.
例: 2016年8月4日時点のアーカイブ(
web.archive.org
)。 ↩ 戻る -
5.
週刊少年サンデー1996年9号(1月31日発売)の広告ページで紹介されていることからの推定。なお、当該告知では「LOVe」編、「MAJOR」編と週替わりで放送とある。 ↩ 戻る
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6.
放送開始日は週刊少年サンデー1998年34号の広告ページより。WEBサンデーのページ(
web.archive.org
)では「1998年8月」となっており、どちらが正しいのかは不明。 ↩ 戻る -
7.
週刊少年サンデー1998年52号(11月25日発売)の広告ページで紹介されていることからの推定。 ↩ 戻る
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8.
放送開始日は週刊少年サンデー1999年41号の広告ページより。 ↩ 戻る
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9.
池袋本店、札幌店、日本橋店、福岡天神店、名古屋店の5店舗。 ↩ 戻る
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10.
かってに改蔵史「かってに回想」(
www8.plala.or.jp
)、「2ちゃんねる」のスレッド「かってに改蔵 ~ピングー32歳~」の >>316(comic3.5ch.net
)より。 ↩ 戻る -
11.
「2ちゃんねる」のスレッド「かってに改蔵 ~ピングー32歳~」の >>498(
comic3.5ch.net
)より。具体的な店舗名は不明。 ↩ 戻る