『行け!!南国アイスホッケー部』時代のクメプロアシスタントの作品と休載代原エピソード

  • 本記事は成人向け漫画の内容を含みます。

Amazon で Kindle Unlimited(Amazon) が3か月99円セールを行っていたので購読してみたのですが、久米田先生関連のものはないかと探してみると、スパークうたまろの著作が読み放題の対象となっているのに気付きました。

スパークうたまろは久米田先生の初期のアシスタントで、個人サイト「スパークうたまろのホームページ」復刻版(web.archive.org) のプロフィールにある経歴によれば1997年7月に漫画家デビューとのことで、それ以前の『行け!!南国アイスホッケー部』〜『太陽の戦士ポカポカ』の時期にクメプロにおられたものと思われます。デビュー後に5冊の単行本(成人向け漫画)を出されているのですが、いずれも巻末にあとがきページが設けられており、うち2冊には久米田先生に関する言及が見られました。

デビュー作である『インモラル壱号』(1998年)には久米田先生や当時のクメプロスタッフとのエピソードが書かれており、とくに久米田先生からはこのマンガ制作に際して大量の資料提供📼があったことが暴露されています(漫画内容からお察し🤤)。

一方、2作目の『制服大征服』(1999年)には収録話の一つが『行け!!南国アイスホッケー部』の作風になってしまったことが書かれており、実際に当該話を読んでみると他のストーリーとは雰囲気がやや異なり、下ネタギャグが複数差し挟まれていてさらにオチも『南国』風になっていました。もし『南国』が青年誌に掲載されていたらこんな感じになったのかなと思ったり思わなかったり。

さて、せっかくなのでもう一つ元アシスタントのエピソードを。『さよなら絶望先生』の読者は単行本一四集(Amazon) の紙ブログにおいて、『南国』で1話丸々ボツになった原稿の存在の告白があったことを覚えているかと思います。これは週刊少年サンデー 1995年43号(1995年9月27日発売)での出来事であり、当該号では『南国』の急な休載の代わりに当時のアシスタントである智田うに(本名は熊澤智道)による作品が掲載され、その欄外に『南国』休載のお詫び文が掲載されていました。

その代原である『その道のプロ』はたとえ経緯を知らなくても明らかに久米田先生のアシスタントによるものと分かる作風であり、『南国』ファンなら思わずニヤニヤしてしまうものとなっていますが、(私の知る限り)単行本化はされておらず、現在入手するのは困難であるのは残念なところです。

余談ながら、その次の号(週刊少年サンデー 1995年44号)に掲載された『行け!!南国アイスホッケー部』第207話「幸せのペンダント!?」では漫画家志望の「くまさわくん」が突然原稿採用されるエピソードが(必然性なく)挟まれています。こちらは単行本20巻に収録されているので興味ある方は読み返してみてください。