乗車区間の一部が重なる片道乗車券

東京から新青森に新幹線で行く場合、単純に往復すると片道あたり9,870円、往復割引が適用されて1割引となるので17,760円かかります(運賃のみで特急券などは除く)。

しかし、東京→新青森→秋田→新潟→東京のようにぐるっと回るルートにすると少しばかり安くなります。このルートの場合、東京・大宮間を2回通ることになるので、1枚の片道乗車券として購入することはできません。連続乗車券にするか、大宮→東京のみ別に購入する必要があります。

連続乗車券とはあまり聞き慣れませんが、JR東日本のサイトに次のような解説があります。

乗車区間が1周してさらに超える場合、または、乗車区間の一部が重なる場合は、営業キロ、換算キロまたは運賃計算キロは1周となる駅または重なる駅で打ち切って計算します。このような場合は片道乗車券ではなく連続乗車券となります。この場合の有効期間はそれぞれの区間の営業キロに応じた有効期間を合算したものとなります。

乗車区間が1周を超える場合 または 乗車区間が重なる場合の運賃(www.jreast.co.jp)

しかし、途中に他社線を通過連絡運輸で経由、すなわち東京→八戸→(青い森鉄道経由)→青森→秋田→新潟→東京とした場合、東京→八戸と青森→秋田→新潟→東京の距離を通算した片道乗車券が発券可能なようです。

少し応用して、こんなきっぷを買ってみました。

サムネイル画像
購入した周遊きっぷオリジナル画像

周遊きっぷの「ゆき券」で、先に挙げたように都区内から青森まで往きは東北新幹線と青い森鉄道、帰りは秋田、新潟経由とし、いったん東京に戻った後、さらに東海道新幹線などで西に向かうルートとなっています。

ゴールデンウィーク中に北東北と九州に行かねばならず、東京・青森と東京・博多の往復割引乗車券をそれぞれ購入すると41,940円かかるのですが、長距離の片道乗車券を周遊きっぷと組み合わせることで、6,000円以上も安くすることができました。

  • 極端な話、東京・青森間を往きは青い森鉄道経由、帰りは新青森からずっと東北新幹線という片道乗車券も可能なのでしょうか。

2012年3月28日追記どうやらシステムのバグだったようです。以下に追記します。

先日、実際に「東京・青森間を往きは青い森鉄道経由、帰りは新青森からずっと東北新幹線という片道乗車券」を購入しようとしたところ、そのような経路は連続乗車券になると言われ片道乗車券としては発券してもらえませんでした。

気になったのでJR東日本に問い合わせたところ、やはり規則上不可との回答[1]。購入実績があることも伝えたところ、昨年(2011年)システム改修を行ったため、現在では規則どおりに発券できなくなっているということでした。

……まあそうですよね。常識的に考えても複乗可能な片道乗車券はおかしいですし。ただ、購入の可否に関わる改修を行ったのなら直ちに公表してほしかったです。

脚注

  • 1.

    根拠として、旅客営業規則 第68条4項(2) を挙げられていました。 ↩ 戻る