後藤総合車両所で修復された法勝寺電車デハ203
8月2日、米子市観光協会が企画する後藤総合車両所見学会(www.yonago-navi.jp
)に参加してきました。
お目当ては車両所内に保管されている日ノ丸自動車(法勝寺電車)のデハ203。この車両は1967年の廃線後、終点だった法勝寺駅近くの西伯小学校に保存されていましたが、2011年3月に鳥取県の有形文化財に指定(db.pref.tottori.jp
)されたことを機に、後藤工業の手によって解体修復工事が行われることとなり、現在は新しい保管場所への移動待ちということです。
- 法勝寺電車の保存修復工事(
gkk-yonago.co.jp
) - 大正レトロ客車修復 法勝寺鉄道で使用 : 鳥取 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)(
web.archive.org
)
- 読売新聞の記事はウェブページが削除されているので Internet Archive へリンクしています。
デハ203について
西伯小学校に保存されていたころ、一度現地を訪れたことがあります。木製ダブルルーフの車体はもちろんですが、台車が貴重でして、日本車輌製造の(旧)A型と呼ばれる、国産台車の黎明期に製造されたものを履いています。
「日車の車輌史10」や吉雄永春氏の記事[1]によると、この(旧)A型は越中電気軌道や尾西鉄道、駿遠電気などに納入され、このうち駿遠電気から池上電気鉄道を経て伯陽電鉄(後の日ノ丸自動車)に譲渡された車両が残っているものとなります。おそらく同型の台車は他には残存しないのではないでしょうか(仮台車とかは別として)。
現在は修復工事が終わって工場内の屋根のある庫内に保管されています。保管スペースの関係で台車など床下機器を見ることはできなかったのですが、車内には入れてもらえました。
見学会の様子
今回参加した見学会は地元の観光協会が主催するだけあって、当日は遠方からの参加は私一人でしたが、人数が少ないこともあって[2]工場内や保存車もまったりと見学することができました。
デハ203はこの秋にも南部町に引き渡されるということで、新聞報道によれば新たな保存場所が整備されたら一般公開も検討されているようです。
綺麗に整備された姿を見ることができる日はそう遠くないかもしれません。