福島交通飯坂線の運転体験会で7000系、1000系を運転してきた

福島交通飯坂線で7000系、1000系の運転体験会が行われると聞き、参加してきました。

(元)東急電車を運転できる機会は、他に一畑電車1000系(プレミアム運転体験会(www.ichibata.co.jp))、熊本電気鉄道5000形(2017年10月分(www.kumamotodentetsu.co.jp))がありますが、個人的に好きな旧7000系を運転できるということで申し込んでみた次第です。

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運転体験に用いられた7000系と1000系。デハ7105の脇にあるカラーコーンは停止目標。オリジナル画像

概要

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開催日時
2017年8月26日(土)10時〜16時(雨天決行)
開催場所
桜水車庫
募集人員
中学生以上20人(最少催行人員: 10人)
募集期間
2017年8月8日〜8月10日(電話受付)
参加費
10,000円(税込み、昼食代込み)

スケジュール

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時間 内容
10:00 桜水駅集合
10:00〜11:00 座学講習(車両構造等)
11:00〜12:00 車両見学
12:00〜12:45 昼食(1000系車内)
12:50〜15:30 1000系、7000系運転体験
15:30〜16:00 運転体験証交付、記念撮影、車庫内自由見学

当日の様子

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座学講習

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駅待合所で受付を済ませた後、駅舎2階にある会議室で1時間の座学講習。ここでは7000系と1000系の制御方式やブレーキの動作原理についての解説が行われました。それぞれの解説はイラスト入りで、7000系の主制御器のカム動作や界磁調整器の回転動作については、実際に動いている様子を動画で見せていただけるなど分かりやすいものでしたが、それでも「界磁」「逆起電力」「フェイルセーフ」などある程度の用語は知っていること前提のものであり、中学生以下やライト層には理解が難しい部分もあると思います。今回の参加者は、私の見た限りそういった心配のないコアな方々がほとんどでしたが。

講習は1時間のうち30分ほどで終わってしまい、残り時間は質疑応答に充てられました。それはそれで興味深い話が聞けて良かったのですが、時間に余裕があるなら、「運転」に焦点を当てた講習を追加しても良かったのではと思います。

車両見学

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その後車庫に移動し、実車の床下を見ながらそれぞれの機器の解説が行われました。とくに7000系の主制御器や界磁調整器、1000系のVVVF継電器、ブレーキ制御装置などは機器の前蓋を開けて中の仕組みを説明していただけるなど、貴重な機会となりました。

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7000系の界磁調整器(デハ7105)オリジナル画像
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7000系の台車ブレーキシュー(通常用と冬季用)オリジナル画像

運転体験

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昼食を挟んでいよいよ運転体験が始まりました。

運転は1000系と7000系それぞれ2往復。13人の参加者が半々のグループ(6人と7人)に分かれて2両編成の両端の運転台に行き、車庫内を1往復すると前後を入れ替えます。すなわち、計4回の運転機会で車種、前後方向のすべてのバリエーションを楽しめるというものでした。

1000系を運転する様子(クハ1208)
7000系を運転する様子(デハ7206)

7000系と1000系の両方を動かしてみて感じたのは、やはり7000系の起動加速度(4.0km/h/s)のすごさ。加速時は2ノッチで20km/h程度まで速度を上げるのですが、上記動画でも車両が動き出してからノッチオフするまでの時間が1000系より1〜2秒ほど短いのが分かります。運転席でハンドルを握りながらの体感はそれはものすごかったですよ。

また、車庫内に若干の勾配があるのか、運転方向によってブレーキの掛かり具合も異なり、停止位置が数メートルずれてしまったり、ブレーキ操作が乱暴になってしまう人もいました(私は後者)。

起動加速度の違いも、鉄道が勾配に弱いことも、知識としてはもちろん知っていましたが、実物を動かして体感すると新鮮な驚きがありますね。

運転体験証交付、記念撮影、車庫内自由見学

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運転体験が終わった後は、1000系車内で体験証の交付、そして運転体験に使った1000系と7000系を並べての記念撮影が行われ、その後は16:00まで自由行動となりました。

私はと言えば、ここぞとばかりに構内に停まっていたサハ7315のCP側の形式写真や、付随車化に伴いモーターの外されたPⅢ-701台車を撮ったり。

サムネイル画像
サハ7315の形式写真。屋根上のパンタ台跡や妻面幌周りの配管通し跡が分かる構図で。オリジナル画像

感想

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一般募集をかけた運転体験会としては第1回目ということで、運営側も試行錯誤の様子を受けました。個人的には、募集期間がたった3日間で手段も電話しかなく、さらに募集が終わった後は告知ページが公式サイトから削除されてしまったのは、意図的なものかどうかは分かりませんが改善の余地があると思いました。

一方、定員には満たなかったものの、私を含め関東や東海地方など遠方からの参加者も複数おり、決して鉄道ファンの関心度は低くないものと感じます。ハンドル形状や制御方式の異なる2車種を一度に運転できるのは飯坂線としても車両更新の今の時期だからこそ可能なことでしょうし、運転体験前に行われた実車見学もとても興味深いものでした。

第2回以降が行われるかどうかは分かりませんが、スケジュールが合えばまた参加してみたいです。