福島交通飯坂線7109-7210引退HMと車両の特徴
福島交通飯坂線の7000系が2019年までに置き換えられるようです。
- 福島交通飯坂線に新車両が導入されます。(
www.fukushima-koutu.co.jp
)
発表されたスケジュールによると、
- 2016年9月3日: 7109-7210最終運転
- 2016年9月末: 7109-7210解体
- 2016年10月: 1000系2編成5両搬入
- 2017年春: 1000系営業運転開始
- 2017年秋: 1000系2編成5両搬入
- 2018年秋: 1000系2編成4両搬入
- 2019年春: 7000系全車引退
という流れになっており、まずは7109-7210が9月に引退するようです。
ここではさよなら運転の様子と、この2両の特徴を記します。
さよなら運転
ここ数か月は桜水車庫で休車札を掲げていたという目撃情報がありますが、ラスト2週間の金、土曜日[1]は記念ヘッドマークを掲出してさよなら運転が行われています。
- 福島交通飯坂線7000系(7109+7210編成)ラストランのお知らせ(
www.fukushima-koutu.co.jp
)
車両の特徴
最大の特徴はなんといっても扇風機でしょう。福島寄りの先頭車デハ7109は、各地に譲渡された東急7000系の中でも数少ない、「羽根中央部が砲弾型」の扇風機を持つ貴重な車両です。
東急電車の扇風機には大きく分けて砲弾型と平面型があり、2011年に東急電車の扇風機、中央砲弾型はまもなく消滅かの記事でまとめています。砲弾型は本家東急電鉄からはおそらく消滅済、7200系と8000系譲渡車ではまだ多く見られますが、7000系譲渡車で残るのは福島交通譲渡車のうち4両(デハ7109、デハ7202、デハ7206、サハ7316)のみです[2]。その中でもデハ7109は6基すべてが砲弾型で統一された希少な車両で、この度の引退は残念でなりません。
また、飯坂線の7000系は主制御器などの主要電装品が東洋電機製造のものですが、今回引退する2両を含む6両[3]はマスコンハンドルが日立製作所製となっています。1991年の譲渡の際に先頭化改造で運転台を新設するにあたり、在庫の関係でそうなったのでしょうか。なお、同様に電装品とマスコンのメーカーが異なる例は上田交通に譲渡されたクハ7554[4]や十和田観光電鉄に譲渡されたモハ7305[5]があり、後者は今でも大井川鐵道で見られます。
さらにデハ7109のパンタグラフは飯坂線では唯一、横控管が両側に備わっています。
このパンタグラフは検査等の際に交換されるのか、2008年頃はデハ7113、2012年頃はデハ7103と、ときどき搭載車両が変わっています。なのでデハ7109の特徴というよりは、たまたま引退時に搭載車だっただけの話ですが、一応他の車両にはない特徴ということで。このパンタグラフが車両とともに廃棄されるのか、別の7000系に転用されるのか注目したいところです。