コミックマーケット94 3日目 鉄道本

C94の3日目、11:20頃りんかい線の国際展示場駅に着いたのですが、一般入場列の最後尾が駅前まで伸びていてこの時間なのに会場入りまで45分かかるわ、いざ会場に入ったらいわゆる「ゴキブリホイホイ」の牛歩&灼熱地獄で呼吸困難になるわでひどい有様でしたが、幸いにもお目当ての本は完売前にすべて買えました。

鉄道関係の本の感想をば。

東T07b 東杏電機製造「京急床下ハンドブック2018」

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京急電車はせいぜい全車種の形式名を言える程度(それすら怪しいかも)の門外漢なので、流し読みで雰囲気を掴む程度ですが、参考になる部分もあるかと思い購入。

巻末にある「機器符号対照表」では、機器のアルファベット略称が列挙されているのですが、主要機器だけでなくスイッチや弁類に至るまで網羅されており、資料性抜群です。個人的には蓄電池を“SB”と略すのには新鮮な驚きがありました。一文字で“B”と略す例を見たときも衝撃でしたが(国電とかそうでしたっけ?)、事業者によって変わるものなんですねえ。

あと、本の内容とは全然関係ないのですが、サークルスペースに佐倉杏子のぬいぐるみ(gift-gift.jp)が置かれており、まどマギファンとして親近感を覚えました。次のサークルへ急いでいたこともあり、あまり突っ込んだ会話はしなかったのですが、著者が杏子ファンなのか、あるいは京急の赤と掛けているのでしょうかね。

東T08a 東横商会「ななせんななひゃくのほん」

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私が把握している限り、東急7700系の形態分類に焦点を当てた書籍や雑誌記事は

  • 鉄道ピクトリアル 1994年12月臨時増刊号(No.600)「東急7700系形態解析」(高橋英樹)
  • とれいん 2013年5月号〜6月号(No.461〜462)「オールステンレスカー旧7000系のセカンドライフ」(高見一樹)
  • 鉄道車輌ガイド vol.26 東急7000系(www.neko.co.jp)

の3つがあり、他に同人誌という形で拙著「東急7700系形態分類 in 2010 Vol.1 車外編」(Amazon)も出しているのですが、今回発行された「ななせんななひゃくのほん」も含めて、それぞれに「この本にしか載っていないデータ」が存在するのが面白いですね。それだけ東急7700系の形態バリエーションが豊富ということであり、研究しがいのある車種とも言えます。

さて、内容について。

  • p.6: クハ7908の警笛について、一時期新型のRUK-959型を搭載していたという表現がありますが、引退時はRUK-107型に戻っていたということなのでしょうか。7908F引退間際の動向は把握していないので、いつ頃交換されたのか気になります。
  • p.15: 車端部ネジについて何かの表記の跡のようにも見えますが詳細は不明とのことですが、これは消火器の撤去痕です。

消火器について少し詳しく書きますと、中間車のデハ7800形、サハ7950形はもともと車端部の側壁部分に消火器を壁掛けで設置していましたが(妻面に掛からない設置方法なので8000系以降とは異なる)、デハ7800形は車椅子スペース設置に伴い移設されています。2010年の時点ではデハ7805〜7807、7810、7813の下り方山側、デハ7715、7808、7815の上り方海側にネジが残っていました。譲渡車だと、福島交通サハ7300形は側壁掛けタイプの消火器が見られる貴重な車でしたが、2両とも引退してしまったのは残念ですね。

ちなみに7200系の改造車・譲渡車では、東急電鉄からはデハ7673の廃車により消滅していますが、豊橋鉄道モ1850形では今でも見られると思います。

サムネイル画像
福島交通サハ7300形の消火器(サハ7315)オリジナル画像

東T55b 夏の田奈部隊「続・田園都市線50年追補編ーインバータ制御の時代ー」

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既刊の追補という形なので「田園都市線50年」のタイトルが含まれていますが、実質的に鉄道車両におけるVVVFインバータ制御の解説本なので、とくに東急ファンであるとか田園都市線ユーザーとか関係なく、走行システムに興味のある方は読んでみてもいいかもしれません。一応、第1章の中に「東急線におけるインバータ制御車の導入」という節があるのですが、内容、分量ともに本書のメインは東急電車云々よりも制御方式の解説そのものにあると思います。

「田園都市線50年」シリーズは本書も含めて4冊発行されていますが、総集編の制作構想もあるようなので、そちらも楽しみに待ちたいと思います。