「MBSアニメフェス2018」での『まどか☆マギカ』生アフレコ内容と映像
10月6日、大阪城ホールで開催されたMBSアニメフェス2018(www.mbs.jp
)に行ってきました。
事前に告知されていた参加作品は『マギ』『血界戦線&BEYOND』『魔法少女まどか☆マギカ』『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』『ハイキュー!!』の5作品。自分はこの中では『まどか☆マギカ』しか見ていないので、それに関する内容だけ[1]。
予告されていたキャストは悠木碧さん1人だけでしたが、物販の商品(www.mbs.jp
)で描き下ろしを含むまどか、ほむら、さやか、キュゥべえがピックアップされていたことから、この4人が出演するであろうと予想しており、実際に喜多村英梨さん、加藤英美里さんはシークレットゲストとして出演されたのですが、斎藤千和さんの出演はありませんでした。
演出形態としては、ステージ後方の大型ディスプレイでアニメ映像を流しながら、悠木さん、喜多村さん、加藤さんの3人がそれぞれご自身のパートの生アフレコを行うものであり、その場でしか見ることができない演技そのものを感じることがイベントの本来の楽しみ方なのでしょうが、どのシーンがピックアップされたのか、そのときバックに流れていた映像はなんだったのかという情報も重要なことなので、覚えている範囲内で書き残してみます。
- 以下話数ごとに章を区切っていますが、生アフレコは途切れなく連続して行われました。章分けはあくまで当記事の説明の都合によるものです。
10話→1話
まずは10話のエンディング前、ほむらの「繰り返す、私は何度でも繰り返す」のセリフが印象的なシーンからスタートしましたが、キュゥべえを助けたまどかの元にほむらが姿を現したところで悠木碧さんが登場すると共に、映像は自然に1話に切り替わりました。ここは1話ではほむらは片足を上げた姿勢なのに対し、10話は直立姿勢なので、前者の映像が流れたことで1話に切り替わったことが分かりやすかったですね。
その後、本イベントオリジナルとなるまどかのモノローグが入りましたが、映像は1話アバンのワルプルギス戦シーンやまどかの寝起きカット、ほむらから保健室行きの名目で連れ出された渡り廊下のシーン、薔薇の魔女戦後にほむらとマミが対峙するシーンなどが短く切り替わりながら流れていました。
2話
そして、「僕の名前はキュゥべえ、僕と契約して魔法少女になって欲しいんだ」のセリフと共に加藤英美里さんが登場。
キュゥべえによる魔法少女の契約に関する説明や、まどかの2話ラストのセリフ「それはとっても嬉しいなって」などが語られます。バックの映像はマミの部屋や自殺するOLのシーン、薔薇の魔女空間など。
ちなみにこの一連のシーンではBGMで「Sis puella magica!」が流れており、さながら劇場版[前編]をも思い起こさせる演出となっていました。
3話
お菓子の魔女結界内の通路でのまどかとマミの会話までは本編のセリフのとおりに再現されましたが、マミがお菓子の魔女に食われるシーンはまどかのモノローグでした。「本当の怖さを分かっていなかった」という旨のセリフだったと思います。
4話
4話部分はパッケージ版の映像が流れました。
実は、TV放送時も4話は特殊な扱いをされており、現在特別放送や再放送が行われるとき、4話のみオープニングとエンディングを除いた本編部分はパッケージ版に準拠した映像が流れます[2]。
今回のイベントでは、まどかが死んだマミの部屋を訪ねるシーンで表札アップになるカットが4話パートの最初でしたが、既にここから目立つ差分があり、本放送時は表札にマミの母の名前と思われる文字が書かれていたのに対し、パッケージ版はマミの名前のみになっているという違いがあります。
そして、ハコの魔女に捕まったまどかをさやかが助けるシーンで喜多村英梨さんが登場。ここの映像も、さやかの周囲の煙のようなものは本放送時は白に少しピンク掛かった色でしたが、パッケージ版では黄、青、赤などが混じったカラフルなものになっている変化があります。
5話→4話→5話
5話はさやかのモノローグ(願いの理由や決意)で始まります。映像は5話アバン、屋上でさやかが契約するシーンで、ここは放送版とパッケージ版でさやかとキュゥべえの影の付き方などが変更されているのですが、流れていたのは放送版だったので、パッケージ版映像だったのはやはり4話部分のみと判断できます。
その後、いったん4話の恭介の病室シーンに戻り、サブタイトルにもなっている「奇跡も、魔法も、あるんだよ」のセリフがあった後、再び5話に進みます。
ここもモノローグで、契約をしたさやかが「後悔はなく幸せである」「命がけで戦う羽目になっても構わない」旨を話していました。これは本編では河原でまどかに話していた内容と、病院の屋上で恭介がバイオリンが演奏した直後のモノローグを合わせたような演出でしたが、せっかく悠木さんと喜多村さんがいるのですから、河原のシーンの方は2人でのダイアローグにして欲しかったですね。とくに劇場版[前編]では、そのシーンは初めて「Decretum」が流れる印象的なところでもあるので、モノローグだったのはちょっと惜しみ。
6話
さやかと杏子の戦闘や、まどかと詢子の会話シーンはカットされ、橋の上でさやかがソウルジェムを喪失して倒れるシーンへ一気に飛びます。
ここでは初めて悠木さん、喜多村さん、加藤さんの3人によるアフレコとなりました。
7話
さやかの部屋でキュゥべえを問い詰める場面や、影の魔女戦前のさやかの「仁美に恭介を取られちゃうよ」があり、喜多村さんの演技が涙を誘いました。
ここでは終始「Vocalise Op.34 no.14」のBGMが流れていましたが、個人的にはシーンと合っていない気がして違和感がありました。
8話
犬の魔女の手下戦でのさやかの絶叫からの「あたしって、ほんとバカ」。そして喜多村さんは一時退場。
少し時系列が戻り、噴水前で契約しようとしたまどかの元にほむらが駆けつけるシーン。ここは悠木さんと加藤さんの2人による演技のみで、ほむらのセリフはカットされていました。
10話
9話を飛ばして、一気にまどかがワルプルギスの夜に敗れてほむらが契約するシーンへ飛びます。ここはほむらのセリフも録音されたもの(おそらく放送用素材)が流されました。
そしてループ2回目(ループ1回目のシーンはなかったと思います)、ほむらが絶叫しながらまどかを撃つシーンは、ここに斎藤さんがいないことが惜しまれるものでした。
9話
まどかの部屋でキュゥべえが魔法少女の真実を話すシーンに戻ります。アニメとは順序が異なりますが、とくに違和感はなし。
11話
ほむらの部屋でのまどほむ会話シーンを経て「Magia」が掛かり、ワルプルギスの夜が襲来します。
ここでほむらの右脚が瓦礫に押しつぶされたカットが写りました。このカットは、2011年4月22日の本放送時は震災配慮のためか、右脚周りが黒く塗りつぶされていましたが、ネット配信(4月25日配信開始)とパッケージ(9月21日発売)では鮮明になり、血の表現も追加されています。会場では血の表現があるバージョンが流れていました。
12話
まどか契約時の「さあ叶えてよ、インキュベーター」の演技は、劇場版[後編]に近い絶叫系でした。このシーンも引き続きBGMは「Magia」で、TVシリーズとも劇場版とも異なる状況が新鮮でした。
続いていわゆる概念空間のシーンを挟み、「もう絶望する必要なんてない」のセリフがありましたが、BGMはその次のシーン用の「Ave Maria」がすでに掛かっており、ここも映像や演技と合っていないものとなってしまったので、BGMの開始を遅らせることはできなかったのかなあという感想。
恭介のバイオリン審査をまどかとさやかが見つめるのシーンでは、悠木さんと喜多村さんが実際に寄り添ってのアフレコが行われました。
そして再び概念空間でのまどほむのシーンに戻り、「ほむらちゃんありがとう、あなたは私の最高の友達だったんだね」などがありましたが、ここも悠木さんによるソロ演技のみで、ほむらのセリフはカットされていました。
最後は改変御世界でのリボンほむらと鹿目家の会話シーン。ここは出演者3人のセリフはないので、録音音声が流れるのみでした。ラストに出演者が喋らないシーンを持ってきたのは不自然にも思え、もしかしたら本来は斎藤千和さんも出演される予定だったのではないかと推測することもできますが、このタイミングで出演者3人がステージの中央に集まり、最後に一礼して退場するという演出が行われたため、それに必要な時間を確保するためのあえての選定だった可能性も考えられます。
生アフレコ映像まとめ
- 4話部分がパッケージ版に準拠
- 11話のほむら瓦礫表現がある
という2点から、2011年当時の本放送版(MBS、TBS、CBC)ではなく、現行のTV放送版(WOWOW、TOKYO MX、青森放送など)の素材が使用されたものと判断できます。
なお、生アフレコの後には TrySail が出演し(シークレットゲスト)、「かかわり」と「コネクト」を歌ったのですが、「コネクト」で流れていたOP映像はパッケージ版でした。