豊橋鉄道渥美線1800系、東急時代の扉非扱い装置を撤去

豊橋鉄道の1800系は、東急からの譲渡にあたりほとんど改造を行わず入線し、一方で譲渡後に集電装置や制御車の台車、補助電源装置などの更新を行ったり、渥美線の運用で不要な機器を撤去するなど現地でのメンテナンスが小まめに行われています。

扉非扱い装置もその一つで、東急目蒲線時代は鵜の木駅で目黒方1両の非扱いを行っていましたが、渥美線譲渡後もほとんどの車両で装置が残されたままでした。2009年頃に調査した際、床下の本体が残っていたのは次の9両でした。

  • モ1800形7両: モ1801〜1803, 1806〜1808, 1810
  • モ1810形1両: モ1811
  • ク2800形1両: ク2801
  • 以前は、目蒲線時代に中間に組み込まれていたク2809(東急クハ7552)と上田電鉄から来たク2810(東急クハ7551)以外のク2800形も残存していたのですが、台車更新のあたりで撤去されてしまい、調査を行った時点では1両のみ残る状況でした。

機器タイプも2種類あり、モ1810(東急デハ7255)とモ1811(東急デハ7204)は旧型のものでした。この2両は東急末期の目蒲線4連時代は中間に組み込まれており、自車の非扱い装置は使用していませんでした。それ以前、1980年代後半〜1990年代前半の3連時代は非扱いが必要なかったので、おそらくさらに以前の大井町線時代のもの(すなわち手動式)が残っていたものと思われます[1]

サムネイル画像
旧型の非扱い装置(モ1811、2009年撮影)オリジナル画像
サムネイル画像
非扱い装置が撤去された様子(モ1811、2012年撮影)オリジナル画像

ところが、最近になって床下の本体の撤去が行われたようで、先日訪問した折、車庫内にいて確認できなかったモ1807とモ1810以外の7両において撤去を確認しました。

なお、車上子や乗務員室にあったはずの切替スイッチは以前から撤去されていますが、乗務員室の側壁上部にある表示灯(非扱駅名がランプ点灯するやつ)は今も多くの車両で残っています。表示灯の残存車は次のとおりです。

  • モ1800形6両: モ1801〜1803, 1806〜1808
  • モ1810形1両: モ1811[2]
  • ク2800形8両: ク2801〜2808(2807の車掌台側は無し)

脚注

  • 1.

    ただ、デハ7204は1986年頃に3連化される以前、非扱いが必要な長編成で先頭に立った経験ありましたっけ? ↩ 戻る

  • 2.

    車掌台側の設置位置はなぜか他車と異なる。 ↩ 戻る