伊賀鉄道200系 第5編成の形態(台車など)
伊賀鉄道では東急1000系を譲受した200系の増備が行われていますが、このほど第5編成(モ205-ク105)が登場しました。
この編成は両車とも中間車からの改造となっており、運転台の取り付けとともに、伊賀上野方のク100形は電動車から制御車へと改造されています。この際、台車が東急9000系で使用されていたものに取り替えられたようで、モ205はTS-1004形、ク105はTS-1005形となっています[1]。
東急1000系の台車は9000系と同系統のもので、電動台車(TS-1006形)(w0s.jp
)は踏面ブレーキ、付随台車(TS-1007形)(w0s.jp
)はディスクブレーキとなっていますが、今回はク105に軌条塗油器を搭載して台車に油噴口を設ける必要があったため[2]、単に電動台車から主電動機を抜くだけでは不可で、ディスクブレーキ台車にする必要があったのでしょう。その際、TS-1007形台車の余分がなかったため、サハ9700形やサハ9800形の廃車で余っていた9000系用のTS-1005形を使うことにしたものと思われます。
また1000系の台車は、9000系と比較して地下鉄日比谷線乗り入れ対応で高さが45mm低くなっているため、1両だけ台車交換を行うと両車で床面高さが異なってしまうので、併せてモ200形も交換されたのは自然な流れかと思います。
さて、現車を観察するとおもしろいことに、ク105の方は踏面清掃装置が付いています。東急9000系にはないもので、譲渡に際しク201〜204(TS-1007形)に合わせてわざわざ追設したのでしょうね。
さらに屋根上に目を向けると、モ205の集電装置が2基とも菱形タイプとなっています。モ201〜204は片方が下枠交差型なのですが、車高が高くなった影響で下枠交差型を取り付けることができなかったのでしょうか。
脚注
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1.
Wikipediaの「伊賀鉄道200系電車」には、台車が
TS-1005形(ク105のみ)・TS-1006形・TS-1007形
と、あたかもモ205はTS-1006形であるかのような記述がありますが、誤りです。 ↩ 戻る -
2.
油噴口は連結面方台車に設置。 ↩ 戻る