東急1500系(?)の改造点

総合車両製作所に入場している東急1000系のうち12両が出場し、本日JR線上の甲種輸送が行われました。

車両は上り方からこの順序で連結されていました。

(←上り) 1454-1353+1453-1403-1253-1303+1503-1603-1703+1254-1304-1404 (下り→)

デハ1353の誘導無線装置は東急の他線転用にしろ、地方譲渡にしろ不要なはずですが、なぜかそのままです。

2014年2月12日追記当初、「デハ1250形(2両)、デハ1300形(2両)、デハ1350形(1両)、デハ1400形(2両)、デハ1450形(2両)の中間車9両はいずれも手を加えられた様子はない」と記述していましたが、一部の車両は台車を換装したり、空気圧縮機やブレーキ制御装置が取り外されるなどの変化があります。新町車両製造さんが詳細な調査結果(PDF)(nisi-segawa.dip.jp) を公開されているのでそちらを参照。

一方で注目したいのは 1503-1603-1703 で、3両編成でのワンマン運行を思わせる大きな改造が施されていました。

デハ1503山側(東高島駅近くの千鳥町踏切にて)
デハ1603海側(逗子駅にて)
クハ1703海側(逗子駅にて)
  • 1503はおそらく電装化、台車はTS-1006型(w0s.jp) に。
  • 1503に情報伝送装置を搭載。
  • 1603のVVVF主制御装置は新7000系と同じタイプ(東芝、SVF091型)に換装。
  • 1603の集電装置は2丁に。いずれもシングルアーム型。
  • 1603の1位側(下り方)の山側に車椅子スペースを新設。その部分の側窓のみカーテンは緑色。
  • 1603の2位側(上り方)にあった過負荷灯は撤去。
  • 1703の台車の踏面清掃装置は撤去。
  • 各車の冷房制御装置は既存のもの(w0s.jp) が撤去されて、山側に新しい機器を新設(メーカーは従来と同じ東芝、型式は未調査)。
  • 各車連結面の転落防止装置は撤去。ただし台座は残る。
  • 各車とも正面、側面の赤帯が剥がされて銀一色に。
  • 各車の行先表示はLED(?)に。先頭車正面の種別幕は撤去されて車番が印字(帯が剥がされた関係で本来の位置に車番が書けないための一時的な処置か?)。
  • 先頭車正面の昇降ステップ等は撤去。(関連: こどもの国線と池上、多摩川線の車両から正面昇降ステップなどが撤去

それぞれの種車については車号までは特定できていませんが、中間車の1603は形態的にM1車からの改造であること、また1位側(下り方)の転落防止装置台座が背の低いタイプなことから、IRアンテナの付いたデハ1350形の隣に連結されていた車両、すなわちデハ1200形からの改造車と思われます。

この3両の活用先は公表されていませんが、定位置停止支援装置(TASC)や情報伝送装置が搭載されていたこと、先頭車の昇降ステップ等が撤去されていたことなどから池上、多摩川線向けの転用改造であることは間違いないでしょう。とくにTASCは池多摩線の他の車両と同一仕様でしたし。

ところで名称は「1500系」で良いのでしょうかね。あるいは1000系1500番代か、将又1000N″系か……。