Mixa Animation Diary Plus『さよなら絶望先生』トークライブ、昼の部配信視聴感想
夜の部の現地観覧に続き、配信で昼の部を視聴しました。こちらは現地観覧ではないため会場ならではの体験には触れられませんが、トークに関する補足や感想を書いてゆきます。イベントの時間軸的にはこちらの方が先のことですが、本記事はあくまで夜公演を現地で見た後に配信で昼公演を見たという私の体験どおりに書いており、記事としても続き物としているので、先に夜公演のレポート記事をお読み頂けると幸いです。
アニメ『さよなら絶望先生』ふりかえり
先のレポート記事に書いたとおり、せっかくの生オーディオコメンタリーでありながら夜公演では登壇者がほとんど発言せず(できず)、観客として不満を感じていたのですが、昼公演はめっちゃ盛り上がっていましたね(笑)。まあ1話Aパートとなれば記憶も鮮明でしょうし、話すネタもたくさんありますよね。
Delfi Sound でのアフレコ収録
収録スタジオについては絶望放送の第17話「重力の二次」(2007年12月18日配信)のオープニングトークにて、神谷さんから3話くらいまでは向こう(代官山)で録っていた
という発言がありました。
当時の様子を写真で見られる媒体は声優グランプリ 2007年9月号 p.100 のアフレコレポートくらいかなあ。リニューアル前の WebNewtype にもアフレコレポート記事(web.archive.org
)がありましたが、元ページが消えて久しく、画像がアーカイブされていないのは惜しいところです。
オーディション
アニメに関する裏側の話として、キャラクター設定はアニメ雑誌への掲載や原画展での展示が行われることが多く、原画や絵コンテもすべてではないものの比較的イベント展示や資料集への収録がされやすい印象です。またアフレコ時のエピソードも音響監督やキャストのインタビューでおおよそのことは把握できます。
一方でオーディションの話は断片的に語られるのみで、「誰がどの役を受けたか」が一覧のデータとして開示されることはまずあり得ず、またあくまで役が決まる前段階の話に過ぎないため、キャストご本人の記憶も時が経つにつれて曖昧になり、もはや正しい情報を知っている人は誰もいないということが珍しいケースではありません。
『さよなら絶望先生』シリーズにおいては、神谷浩史は新房監督による指名(オーディションなし)[1]、矢島晶子は唯一久米田先生からのリクエストがあった[2](ただしオーディションは受けた模様[3])ことは有名ですが、それ以外のキャストがオーディションで誰を受けたかはほとんど判明していません。そんな中、本イベントの昼公演では新たな情報が提示され、新谷良子がオーディションを受けたときのキャラクターがほぼ確定しました。
まず、これまでに判明していた情報を振り返ってみます。絶望放送が始まったときのアニメイト TV におけるインタビュー(web.archive.org
)では新谷さんがこんな発言をしています。
新谷さん自身がオタクであるため(腐女子ではないらしい)、当初は晴美を希望していた事実はかなり印象に残っているので、このインタビューに限らず他の媒体や絶望放送などで何度か話されていたかもしれません。
次に絶望放送の第39回「番外編 Let's リリキュラジオ!」(2008年5月27日配信)ではこんなやりとりがありました。
そして、今回の昼公演でもオーディションに関するトークが行われました。
すでに記憶が曖昧ということで、これらの発言を鵜呑みにして事実を確定できるわけではありませんが、発言に誤りはないと仮定すると以下のようになります。
- オーディションでは3役が与えられた
- 風浦可符香、木津千里、新井智恵を受けた
- 本人の当初希望としては晴美をやりたかった(オーディションでも受けなかった?)
- 奈美は当初はやる予定ではなかった(オーディションの当日指示で4役目として演じることになり、結果受かった流れか?)
今となってはもはや新谷さんが奈美以外のキャラを演じる if の世界線はいろいろな意味で想像が付かないですが[4]、仮に千里ちゃんに決定していたとしたらアイドルなのか、声優なのか、はっきりしなさいよ!
は逆に回避できたのでしょうか。
楽曲「人として軸がぶれている」ふりかえり
一期のオープニングといえば尾石達也。展示会の記事にもちょろっと書きましたが、尾石さんのインタビューとして月刊アニメスタイル 2011年9月号(第3号)の「尾石達也 自作を語る」3回は外せません。
昼公演のトーク内でもあった「新房監督は文字バージョンの方が好き」にも触れていますし、望の首吊りカットを描いた葛藤、女子生徒の判子顔の元ネタ、幻の二期オープニング構想などが語られており、『絶望先生』ファンなら必読でしょう。
『さよなら絶望放送』第204回公開録音「ジョニーは炎上に行った」
絶望放送パートに関しては夜公演レポートの方で書きたいことは書いたのと、個々の投稿内容への言及はしない方針なので省略させて頂きます。
サプライズゲストに久米田先生登壇
私は先に夜公演の現地観覧で久米田先生のご登壇を見て(見下ろして)いましたが、昼公演は事前の座席数からの推測もできず、本当にサプライズだったでしょうね。
あ、これ昼公演で話されていたのですね。夜公演レポートにて、『絶望先生』連載時代にメディア露出を避けていたことについて、私の勝手な妄想
という体で言及をしていましたが、実を言うとまったくの妄想ではなくある程度の確証があっての考察でした。というのも2022年2月に東海中学校・東海高等学校で行われた公開講座(togetter.com
)において、すでにご本人の口からこの件についての発言があり、しかし配信等のされない閉じたイベントだったこともあり、私からも表だっての言及は控えていた次第です。別に非公開情報というわけではないですが、中途半端な要約をすることで変な形で誤解が広まってしまうのだけは避けたかったので。
まあそういうことなのでしょう。久米田先生が発言されたとおりのことです。
アフレコ時のエピソードは読売新聞 2011年9月14日 夕刊8–9面の「popstyle vol.265」における赤松健×畑健二郎の対談において(赤松)久米田は毎回アフレコに行っていたらしい。差し入れ持って
(畑)終わった後に女性声優さんと飲みに行った
(赤松)久米田から「原稿が終わらない」というメールが来たとか声優さんに聞いて
などと暴露されていますね。赤松先生も畑先生もあくまで伝聞での情報として発言しており、どこまで信憑性が高い話かは分かりませんが、この女性声優絡みの話が本当なら「レーシックでモテモテ」などと元弟子を茶化している場合じゃないですよね!!
今の久米田先生の口から前田さんのお名前が出ると、聞いているこちらも気が引き締まりますね。
あれだけ久米田先生を慕っていた MAEDAX もクメプロを卒業して以降は久米田先生に言及することがほとんどなくなってしまいましたが、例えば2023年6月14日のスペースの冒頭では視聴者の質問に答える形で、上京してクメプロに入った時の話を少しだけされています。MAEDAX は畑先生とは違い漫画家そのものではないため、久米田先生も作中でネタにすることはもうないし、MAEDAX も元職場での出来事を自ら積極的にアピールすることはしない(聞かれれば答える)、という関係性なのかもしれませんね。
とはいえ、いつか同窓会的な形で、久米田先生と畑先生と MAEDAX の3人で『かってに改蔵』のトークショーとかやって欲しいなあ……。
脚注
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1.
アニメージュ 2009年7月号(Vol.373)「絶対新房昭之宣言!」p.32 ↩ 戻る
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2.
『さよなら絶望全書』の久米田先生インタビュー p.288 ↩ 戻る
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3.
DJCD さよなら絶望放送 第9巻「倫ちゃんの電話相談室」コーナーで
オーディションも受けたんですけど、智恵先生っていうか可符香ちゃんとかで受けたような記憶があるんですけど、違ったかな
と発言されている。 ↩ 戻る -
4.
さすがの久米田先生も千里ちゃんや知恵先生を中の人に合わせてウザキャラにするのは不可能でしょう!! ↩ 戻る