大井町線9000系の形態バリエーション

先日、数か月ぶりに大井町線に乗ったところ、やってきたのは9006F。東横線にいたはずが、いつの間にか大井町線に移っていたのですね。まったく知らなかったので驚きましたが、KTTさんの記事によると

東横線所属であった9006Fが5連化されグラデーションの帯になり、大井町線に転籍して、8月25日頃から営業運転を開始した。

東急9006Fが大井町線へ(kttri.jp)

とのことで、1か月以上も前の出来事だったようです。

ここらでバリエーションをまとめてみると、こんな感じになります。(新造時の形態差異は除きます。また、冷房装置(w0s.jp)については別の機会に…。)

編成 集電装置 表示器 ATC装置 車椅子スペース 化粧板 室内銘板 消火器案内 座席モケット 吊手
9002F 菱形 字幕 東横型 2号車と4号車 非更新 プレート ステッカー 薄赤色 丸形
9003F 菱形 字幕 東横型 2号車と4号車 更新 プレート プレート 薄赤色 おむすび形(9000系型)
9004F シングルアーム 字幕 東横型 2号車と4号車 非更新 プレート ステッカー 橙&薄茶色 丸形
9006F シングルアーム 字幕 東横型 2号車と4号車 更新 ステッカー ステッカー 薄赤色 おむすび形(9000系型)
9007F シングルアーム 字幕 大井町型 4号車のみ 更新 ステッカー プレート&ステッカー 薄赤色 おむすび形(新3000系型)
9009F シングルアーム LED 東横型 2号車と4号車 非更新 プレート ステッカー 薄赤色 丸形

2011年3月5日追記2月下旬に9003Fの電動車3両とも集電装置がシングルアーム式へ交換されたのを確認しました。

2011年3月12日追記さらに9002Fの電動車3両とも集電装置がシングルアーム式へ交換されたのを確認しました。

2011年5月13日追記いつの間にか9007Fの吊手が丸形になっていました。一部のみ輪の高さが低くなっているのは変わらずです。

2011年7月21日追記9003F,9004F,9006Fの車外表示器がLED式に交換されたのを確認しました。9002Fは字幕のままです。

このように編成単位で見ると、同一形態をした編成は存在しないということが分かります。

以下、いくつか補足を。

  • ATC装置の「東横型」は1997年の東横線ATC導入に向けて設置されたもの(前面蓋が2枚の後期タイプ(w0s.jp))、「大井町型」は2008年の大井町線ATC化に伴い、8090系後期車や9000系に搭載(換装)されたタイプです。いずれも私が勝手にそう呼んでいるだけです。
  • クハ9006とクハ9106の運行番号表示器はLED式になっています。
  • 東横線からの転籍車は、2号車の車椅子スペースのステッカーを剥がされています。
  • 「室内銘板」は製造銘板や禁煙標記などの各種銘板や標記のことです。まあ「シールの銘板」というのも「パイプの網棚」みたいで気持ち悪い表現ですが、こだわらない方向で。
  • 「消火器案内」は車椅子スペース部分に収納された消火器の案内表示のことです。それ以外の場所は本体が露出しているため、設置場所を示す表示はありません。
サムネイル画像
ステッカーによる消火器案内(デハ9606)オリジナル画像
サムネイル画像
プレートによる消火器案内(デハ9603)オリジナル画像
  • 9607のほか、東横線の9211と9611の消化器案内は、なぜかステッカーとプレートの両方による掲示がなされています。

この他にも、9007Fは側戸鴨居の把手や先頭車正面の“スカート”が取り付けられていないなど、東横線からの転籍車とは異なる点がいくつか存在します。

ところで、9004Fの座席モケットは貼り替えられなかったのですね。時々これを「オリジナル」などと称した記述を見ますが、2次車登場時のカラーは茶色がもっと濃かったので、少なくとも1回は貼り替えられているはずです。オリジナルの「濃い茶色」は、数年前まで池上、多摩川線のデハ7815とクハ7915に残っていて、デハ7715(すなわち7914Fからの組込車)との差異を愉しむことができましたが、今は他車種も含めて消滅してしまったものと思われます。