9011FがATC装置を換装して大井町線へ転籍

先月下旬、9011F5両が大井町線へ転籍したようです。

東横線所属であった9011Fが5連化されグラデーションの帯になり、大井町線に転籍して、10月24日から営業運転を開始した。表示器類はLED化されている。

KTT : 東急9011Fが大井町線へ(kttri.jp)

ここ最近の転籍車と比べて、正面帯の橙グラデーション化や行先表示器のLED化などは同様ですが、少し様子が違います。

ひとつは電動車の集電装置で、シングルアーム化がされておらず菱形のままです。装置自体は塗り直されたのか小綺麗な状態だったので、手を入れなかったわけではなく何らかの理由で交換を見送ったものと思われます。とはいえ、9002F, 9003Fの電動車も転籍当初は菱形パンタだったわけで、これに関してはそう珍しいことではありません。

サムネイル画像
菱形パンタグラフなままのデハ9211(車椅子ステッカーが剥がされていない)オリジナル画像

それより注目したいのは両先頭車の海側床下で、なんとATC装置が新型(w0s.jp)に変わっているではありませんか! これは8090系のうちクハ8081〜8090と、元から大井町線にいた9000系(クハ9007, 9107)に搭載されているもので、前面2枚蓋のうち右側に確認窓があるのが特徴です[1]

クハ9011の装置銘板を確認したところ、製造は2007年9月だったので、新品ではなく廃車になったクハ8090形の流用品なのでしょう。製造番号的に、調達元は8085〜8088のいずれかと思われますが、特定はできていません(するつもりもありませんが)。

ともあれ、スカート付き・行先LEDに新型ATCの組み合わせは初の事例でして、他車にも波及するのか気になるところです。

脚注

  • 1.

    最初の2台のみ、当初は確認窓がありませんでしたが。 ↩ 戻る