久米田康治作品展「一挙後悔中」東京会場 1st.stage に行ってきた

久米田先生は早くからデジタル作画を行っていたとのことですが[2]、会場ではアナログ作画である南国初期のカラーイラスト（単行本の表紙）がいくつも展示されていました。

おもしろかったのは1巻の表紙で、完成版（実際の単行本）では月斗の後ろに隠れているヨットの帆に、元絵の背景だと「0721」という数字が描かれていたこと。まだ真面目にアイスホッケーをしていた時代に描かれたイラストのはずですが、早くも下ネタ臭が(笑)。

ちなみに、10巻の表紙はイラストに修正液痕が見られたのでアナログ画、最終23巻はそのような修正痕が見られなかったのでデジタル画なのかもしれません。

デジタル移行後の改蔵や絶望先生も、下書きはアナログでされているようで、その生原稿が展示されていました。

絶望先生は第一話の下書きが展示されていたのですが、久米田作品の特徴のひとつである4段ブチ抜きの描き方について興味深いことが分かりました。

単行本での p.10 の可符香は、下書きではキャラクターの枠の空間が空けられており、可符香は別の紙に独立して描かれていた一方、 p.16 の望は普通にコマ割りの中に描かれているのです。

なぜページによってそうした違いがあるのかは分かりませんが、同じブチ抜きでも箇所によってまったく異なるアプローチで作られていることは初めて知りました。

原作を担当された『じょしらく』のコーナーでは、久米田先生のネームとヤス先生の原稿が並べられており、両者の比較ができる展示形態になっていました。ラフ状態のものとはいえ「久米田絵の手寅」を見ることができたのは、このような展示会ならではのものですね。

会場の一角には寄書帳（訪問者ノート）の置かれたテーブルがあり、椅子に座ってゆっくりと読むことができました。

• GoFa@久米田康治展7/2~ (@gofa_official) 2016年7月2日 18:36

単行本の読者コーナーや絶望放送などでお馴染みの読者さんはもちろん、シャフトのおとこ祭りさんや山村カエレさん、SZBH方面の構成T氏などのスタッフによるメッセージも多数。

また、ここではサンデー×マガジンコラボ企画 サンデー掲載出張版『さよなら絶望先生』下書き原稿を全量読むことができました。

7月1日から渋谷スペイン坂の階段を登ったところにポスターが掲出されています。ここは去年MADOGATARI展のポスターが掲出されたこともあるなど、久米田作品とは縁のある場所ですね[3]。